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●数式 (1)

数式のうち段落の中の行中に現れるものは $ と $ の間に記述し、 数式のみでひとつまたは複数の行を占めるものは $$ と $$ の間に記述します。 前者をインライン・モード、後者をディスプレイ・モードといいます。 同じ記述をしても、インライン・モードでは行と行の間隔が空きすぎないような 表現が自動的に採用されます。 インライン・モードでも\displaystyleという指示を与えておけば ディスプレイ・スタイルで数式を表示することができます。 特に指定しない限りディスプレイ・モードでは数式はその行でセンタリングされます。 また数式中の文字は、変数と解釈され数式用の斜体で表示されます。 また記述中の空白は単に区切りの意味しか持ちません。

ディスプレイ・スタイルで数式の番号をつけたい場合は 式の最後に

右端につけるとき:  $$ ........式....... \eqno (1)$$
左端につけるとき:  $$ ........式....... \leqno (1)$$
などのように書きます。

数式の中に通常のことば(特に欧文)を入れる場合は局所的に数式モードから 抜けるため \hbox{ ...... } のように hbox の中に入れて下さい。 hbox については第1節でも触れましたが、第8節でもっと詳しく学びます。

※ 数式は必要になったときに調べて使えれば十分です。この節および次節は ざっとながめておくだけにします。

○通常のアルファベットの変数や数字、 一部の記号(( ) [ ] < > ! + - / * ' | = : )は そのまま入力します。 これに対し{ } @ # $ % ^ & \ _ ~ などは 特別な意味を持ちます。

例 : tex006.tex(S-JIS) -- tex006.dvi
\hsize=0.7\hsize
\hrule height 2pt
\smallbreak

\noindent
インライン・モードの数式の例:$n!/r!(n-r)!$

\noindent
ディスプレイ・モードの数式の例:
$$
[f(g(x))]' = f'(g(x))g'(x) \quad\hbox{ for every $x$ }
$$
\bye

上で、 「\quad」は式の中に小さな空白を作るのに用いられています。 空白を作るコマンドには次のようなものがあります。

\qquad2em分の空白(*)
\quad 1em分の空白(*)
\(space)空白(*)
~空白(*)(**)
\;少し上より小さい
\>少し上より小さい
\,少し上より小さい
\!負の大きさの空白(***)

(*) 数式モードでなくても使えます。
(**) ~ は \(space) と同じ空白ですがここでの改行を許しません。 「Mr.~Brown」のように使います (ピリオドは文末と解釈されそのあとに若干大きめの空白ができてしまうのを 防ぐとともに、改行で Mr. と Brown が離れてしまうのを防ぐ)。
(***) 記号が離れすぎると感じるときにこれを用いて間隔を狭めるのに用います。 例えば2重積分などは $$\int\!\!\!\int_R f(x,y)dx dy$$ とした ほうがよいかも。


○ギリシャ文字

通常のアルファベットと同じもの以外は次の表 (A Gentle Introduction to TeX p.35) のとおり:

Greel Letters


○数学アクセント

次の表(A Gentle Introduction to TeX p.36)のとおり:

Math Accents


○二項作用素

主なものは次の表のとおり:

Binary Operations


○二項関係

<, >, = 以外の主なものは次の表のとおり。 いずれも前に \not をつけて否定形にできる。

Relations


○矢印

主なものは次の表のとおり:

Arrows


○その他の記号

主なものは次の表のとおり:

Misc Symbols
上の他、筆記体のアルファベット大文字 ${\cal A}$ ${\cal B}$ .... ${\cal Z}$ で生成できます。

○分数・添字・べき・ルートなど
 記述法記述例出力例
インライン
出力例
ディスプレイ
分数 分子 / 分母(a+b)/(c+d)
{ 分子 \over 分母}{a+b \over c+d}
{ 分子 \atop 分母}{a+b \atop c+d}
添字 …_{下付添字}x_{2i+1}
…^{上付添字}x^{k+2}
混合x_i^2
x^{x^x}
ルート \sqrt{…}\sqrt{1+\sqrt{1+x}}
\root … \of { … }\root n \of { x^n + y^n }
横線 \overline{…} 上線\overline{a + b}
\underline{…} 下線\underline{a + b}
\overleftarrow{…} 上左矢印\overleftarrow{AB}
\overleftarrow{…} 上右矢印\overrightarrow{AB}
\overbrace{…} 上括弧\overbrace{a \cdots a}^n
\underbrace{…} 下括弧\underbrace{a \cdots a}_n


○積分・Σなどの大きな作用素
コマンド使用例出力例
インライン
出力例
ディスプレイ
\sum\sum_{i=1}^n a_i
\product\prod_{j=0}^{n+1} f_i(x)
\int\int_0^{2\pi} \sin x \, dx
\oint\oint_C F = 0
\coprod\coprod_{x\in X} M_x
\bigcap\bigcap_{i=1}^\infty W_i
\bigcup\bigcup_{\lambda\in\Lambda} W_\lambda
\bigsqcup\bigsqcup_{j=0}^{10} M_j
\bigvee\bigvee_{n=1}^\infty S^n
\bigwedge\bigwedge_i X_i
\bigotimes\bigotimes_{k=1}^n E_k
\bigoplus
\bigoplus_{\scriptstyle i<m \atop 
         \scriptstyle j<n} E_{i j}


○区切り記号・種々の大きさの括弧

次の表(A Gentle Introduction to TeX pp.40 -- 41)のとおり:

Math  Delimiters
Delimiters of Various Sizes
中身に応じてサイズの変わる括弧については次節を参照して下さい。

○よく使われる関数

次の表(A Gentle Introduction to TeX p.41)のとおり:

Math Functions

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