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平面曲線の表示


曲線の表示1:方程式
○関数のグラフ: y = f(x) とか x=g(y) のような形の方程式で表されるもの。
○一般の方程式: 項をすべて左辺に移せば F(x,y)=0 の形で表される(陰関数表示)。

例えば x2+y2-1 = 0 という曲線の場合は、曲線上の 任意の点 (a,b) において、そのまわりでは関数のグラフになっている。 例えば 点 (0,1) のまわりでは、y=√(1-x2) のように書けるし、 点 (1,0) のまわりでは、x=√(1-y2) のように書ける。 このように隠れて存在している関数のことを陰関数とよぶ。
一般の方程式 F(x,y) = 0 の各点 (a,b) のまわりで、陰関数が得られるとは 限らないが、次のような十分条件が知られている:

陰関数定理:F(x,y) は微分可能とする。
  1. Fy(a,b)≠0 ならば、(a,b)のまわりで、yはxの関数になっている。
  2. Fx(a,b)≠0 ならば、(a,b)のまわりで、xはyの関数になっている。

Fy(a,b)= Fx(a,b)=0 の場合は、何も結論できない。 このようなとき、(a,b) は曲線 F(x,y)=0 の特異点と呼ばれる。

グラフ描画ソフト

曲線や曲面を描くのに、便利なソフトがいくつかあるので紹介します。
Maxima
微積分の計算やグラフの描画にとても便利です。
Maxima - PukiWiki に色んな情報があるのでたどってみて下さい。 具体的には、次のことを実行して下さい。
  1. http://maxima.sourceforge.net/から Windows用のファイルをダウンロードし、そのファイルをダブルクリックしてインストールします。
  2. インストールしたフォルダ(普通なら C:\Program Files\Maxima-5.X.X)の中の binフォルダに wgnuplot.exe というファイルもあるので、そのショートカットをデスクトップに 作成します(Gnuplotというグラフ表示ソフトです)。
  3. リンク集で紹介されている中川さんの「Maxima 入門ノート」(maxima.pdf) をダウンロードして、適当なフォルダに保存して、いつでも読めるようにします。
あとは入門ノートを読んで、色々試して下さい。 なお、Gnuplot を初めて起動すると、字がつぶれて読めませんので、左上スミの 小さいアイコンを左クリックして、「Options」→「Choose Font」でフォントサイズが 9になっているのを10程度に増やして、読めるようにします。 例えば Akira Nishimura さんの Windows版 Gnuplot の使い方を見れば、丁寧な説明があります。

Risa/Asir
陰関数表示された曲線を描画するのに最適です。
  1. Risa/Asir(神戸版)ダウンロードページから日本語版の asirwin-ja.exe をダウンロードし、実行します。
  2. asir というフォルダができるので、それを C:\Program Files に移します。
  3. そのフォルダの中に asirgui.exe というファイルがあるので、そのショートカットを デスクトップに作成します。
  4. そのアイコンをダブルクリックして、起動します。
  5. 例えば x3+xy2-2y2=0 を描画したければ
      ifplot(x^3+x*y^2-2*y^2);
    と入力します。


大学のパソコンなど、勝手にソフトをインストール出来ない機械で、 Netにつながっていて、CD−Rの読めるものならば、 Knoppix/MathのCDでパソコンを 起動することにより上記のソフトが使えるようになるかもしれません。 詳しくは KNOPPIX/Math - PukiWiki を参照して下さい。


曲線の表示2:パラメータ表示
パラメータ(=媒介変数、助変数)t を時刻だと思い、平面を動く点の時刻tにおける 位置ベクトルを p(t) =(x(t), y(t)) と書けば、その運動の軌跡として曲線を 与えることができる。これを曲線のパラメータ表示という。

※ 授業ではベクトルは上に→をつけて表しているが、ここではその表示ができないので 太文字で表している。

例: p(t) = a + t v :位置ベクトルaで表される点を通り、 ベクトルvに平行な直線
例: p(t) =(cos t, sin t) :単位円周


○パラメータ表示→方程式:
x=x(t) と y=y(t) から t を消去する。





演習

今日は空間ベクトルに関する簡単な復習を行い、 ベクトル積の定義を行いました。

また演習プリントNo.1の1番を解きました。

○関数→パラメータ表示
y=f(x)で与えられている曲線は、x=t とおいて、パラメータ表示 p(t)=(t, f(t)) を得ることができます。
x=g(y)で与えられている曲線は、y=t とおいて、パラメータ表示 p(t)=(g(t), t) を得ることができます。