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フルネの公式

   e'(s) =κ(s) n(s)
   n'(s) =−κ(s) e(s)
下の式は、上の式の両辺を90度回転したものです。

閉曲線の回転数

p(s) (0≦s≦L) が次の2条件を満たすとします:

  1. p(0)=p(L) つまり始点と終点が一致。
  2. p'(0)=p'(L) つまり始点と終点で速度ベクトルが一致。
このとき、θ(L)≡θ(0) mod 2π が成り立ちます。つまり、
   θ(L)−θ(0) = 2kπ
となる k が存在します。このような k をこの曲線の回転数といいます。

問:p(t)=(sin t, sin 2t) (0≦t≦2π)の回転数を図を用いて求めよ。

回転数 k を積分を用いて表すことができます: k = (1/2π)∫0Lκ(s) ds
これは次のようにして容易に証明できます:
   右辺 = (1/2π)∫0Lθ'(s) ds
       = (1/2π)[θ(s)]0L
       = (1/2π)(θ(L) - θ(0)) = k =左辺

空間曲線の曲率と捩率

何回でも微分可能な空間曲線 p= p(t) (a≦t≦b)が与えられており、 常に |p(t)| > 0 と仮定します。

弧長パラメータ s を

    s(t) = ∫at|p(u)|du

で定義します。 この関数は単調増加なので、逆関数を持ちます。 それを t=t(s) と表します。 t=t(s) を 代入することにより p を s の(ベクトル値)関数と思うことができます。 それを p(s) で表します。 s による微分を ’(ダッシュ)で表します。 |p’(s)|=1となります。 e(s)=p’(s) と書きます。 単位接ベクトルです。 ここまでは平面の場合と全く同じです。

さて、平面ではe(s)を90度回転することにより、 法線ベクトルを作ることが出来ました。 しかし、空間ではどちらの方向に回転すればよいのか、決められません。 等式
   e(s)・e(s)=1
の両辺をsで微分して、    e'(s)・e(s)=0、つまり e'(s)⊥e(s)
がわかります。 そこで、e'(s)が0ベクトルではないと仮定し、
    n(s) = e'(s)/|e'(s)|
とおくと、これは単位ベクトルで、e(s) に垂直です。 これを主法線ベクトルといいます。 |e'(s)|を曲率とよび、κ(s) で表します。 上の式を変形して、平面の時と同じ式
   e'(s) = κ(s) n(s)
が得られます。ただし、空間曲線の曲率は負になることがありません。 この点に注意してください。

さらに
   b(s) = e(s) × n(s)
とおくと、これはe(s) にもn(s) にも垂直な単位ベクトルになります。 これを従法線ベクトルと呼びます。

最後に捩率(ねじれ)τを定義しました:

   τ(s) = -b’(s)・n(s) (・は内積です)


演習

演習プリントNo.2の 3(2)、4(3) の曲率の絶対値が最大になる点を求める部分をやってもらいました。 4(2) は次週までの宿題です。