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幾何学II

いろいろな図形(2)

正方形 I2={ (x,y)| 0≦x≦1, 0≦y≦1 }の辺を貼り合わせることにより、 新しい図形を作ることができます。 貼り合わせる辺には同じ記号(ラベル)をつけ、貼り合わせの向きは辺に矢印をつけ、 その向きがあうように貼り合わせをおこないます。

一組の向かい合う辺を貼り合わせる場合、次の二通りが考えられます。

円柱(シリンダー)
円環(アニュラス) A
メビウスの帯 MB

他の向かい合う辺同士も貼り合わせると次のような図形が得られます:

トーラス T2 クラインの壷 KB 射影平面 P2

次回、最後のふたつの図形を4時限空間内に実現してみます。




幾何学演習II

課題(2週間後に提出)三角形ABCにおける内心、外心、垂心の重心座標を与える 公式を作りなさい。

単体

点、線分、三角形はそれぞれ0次元、1次元、2次元の図形で、頂点の個数は 順に1個、2個、3個です。この「次」に来るのは4個の頂点を持つ3次元の図形・ 四面体です。これらの図形を「単体」と呼びます。点は0体、線分は1単体、 三角形は2単体、四面体は3単体と呼ばれます。一般のn単体を定義しました。

定義 ユークリッド空間RNの中の(n+1)個の点 v0, v1, v2, ……, vn が「一般の位置にある」とは、次のn個のベクトルが一次独立であることを言います:
    (v0v1), (v0v2), ……, (v0vn)
ただし、n=0 の場合は、常に一般の位置にあると考えます。

定義 v0, v1, v2, ……, vn が一般の位置にあるとき、これらの点を頂点とする「n単体」 |v0 v1 v2 …… vn |とは 次の図形のことです:
|v0 v1 v2 …… vn |= {t0 v0 + t1 v1 + …… + tn vn | t0 + t1 + …… + tn = 1, ti ≧ 0 }

(t0, t1, …… , tn)が点 t0 v0 + t1 v1 + …… + tn vnの「重心座標」です。

※頂点の順番を取り替えても同じ単体です。図形として全く同じだからです。