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幾何学II

ワード表示の変形(2)

基本操作の解説を続けました。

基本操作だけでは色々めんどうなので、いくつか便利な操作を紹介しました。

  1. a b a-1 b-1 の形の「基本部品」は式の中の任意の位置に 移動できる:
       A B a b a-1 b-1 C  → A a b a-1 b-1 B C

  2. c c の形の「基本部品」も式の中の任意の位置に移動できる:
       A B c c C  →  A c c B C
説明:
  1.     A B a b a-1 b-1 C
     =  b-1 C A B a b a-1
     →  b-1 B a C A b a-1     CA を a の後ろに移動した
     =  b-1 B a C A b a-1
     →  b-1 B a b C A a-1     CA を b の後ろに移動した
     =  b-1 B a b C A a-1
     =  b C A a-1 b-1 B a
     →  b a-1 C A b-1 B a     CA を a-1 の後ろに移動した
     =  b a-1 C A b-1 B a
     →  b a-1 b-1 B C A a     CA を B の後ろに移動した
     =  b a-1 b-1 B C A a
     =  A a b a-1 b-1 B C

  2.    A B c c C  →  A c B-1 c C  →  A c c B C

一般に X = X' (同相)、Y = Y' (同相)ならば X # Y = X' # Y' が成り立ちます。 したがって、X のワード表示 A が A' に変形され、Y のワード表示 B が B' に変形され、 かつ A, A' に現れる文字と B, B' に現れる文字に重複がないならば、AB を A'B' に 変形してもよいことになります。このことを使うと変形が簡単になることがしばしばあります。

これらを使って、与えられたワード表示を「標準形」にする方法を解説しようとしましたが、 時間が来たので、次回続けます。






幾何学演習II

復習問題の解説を行いました。

小テスト:復習問題の[1]と同じ設定で次の条件で与えられる図形を図示しなさい:
α+β= 1/2, α≧0, β≧0 (授業の問題と少し違いますが、答えは同じです)。

鎖複体(1)

複体 K の(実係数)鎖複体 Ck(K;R)  (k∈Z) を K の向きづけられたk単体たちを基底とする線形空間として定義しました。つまり
    Ck(K;R) = {a1σ1(k)+……+amσm(k) | aiR
ただし、σ1(k), ……, σm(k) は K の向きづけられたk単体たちとします。

和やスカラー倍は自然に定義されます。