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幾何学II

ワード表示の変形(3)

前回習った基本変形の応用として次の公式を証明しました。これらは試験などで自由に 使って構いません。

  1. KB =P2#P2
  2. T2#P2=P2#P2#P2 =KB#P2



ワード表示で与えられた閉曲面を、 標準形(S2, T2#……#T2, P2#……#P2) に変形する方法について学びました。 手順は次の通りです。

問:次のワード表示の図形を標準形に変形せよ:

  1. aa-1b-1cc-1b
  2. a-1c-1abcdb-1d-1
  3. abbccdaeff-1ed
  4. abcacb-1

上の問題は次回授業が始まるまでに黒板に解答してください。




幾何学演習II

鎖複体(2)

全回、複体 K の(実係数)鎖複体 Cp(K;R)  (p∈Z) を K の向きづけられたk単体たちを基底とする線形空間として定義しました。つまり
    Cp(K;R) = {a1σ1(k)+……+amσm(k) | aiR
ただし、σ1(k), ……, σm(k) は K の向きづけられたp単体たちとします。

次に、線形写像 ∂p:Cp(K;R) → Cp-1(K;R) を、基底に対しては
   ∂p(< ai0, ai1, ai2, ……, aip>)= (-1)0<ai1, ai2, ……, aip> +(-1)1<ai0, ai2, ……, aip>
        +(-1)2<ai0, ai1, ai3, ……, aip> +…… +(-1)p<ai0, ai1, ……, aip-2, aip-1>
と定め、これを線形に拡張することによって全体に定義します。

すると、(C*(K;R), ∂*)は次の意味で「鎖複体」になります。

定義 線形空間の列 C*=(Cp, p∈Z)と 線形写像の列 ∂*=(∂p), p∈Z)の対は、 すべてのpに対し∂p-1o∂p=0 が成り立つとき、鎖複体 と呼ばれる。