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集合

まず最初に小テストを実施しました。
小テスト
「すべての自然数 n に対して 1/n > 0 が成立する」という命題が、 より基本的な命題(関数)からどのようにできているか、その構造を式で表せ。 またその式の否定を¬(〜)でない形に変形せよ。

正解例:
  P(n) : n は自然数である。
  Q(n) : 1/n > 0 である。
とおくと、元の命題は「∀n (P(n)⇒Q(n))」とかける。
その否定「¬(∀n (P(n)⇒Q(n)))」は次のように変形できる:
  ∃n(¬(P(n)⇒Q(n)))
これはさらに次のように変形するほうがわかりやすい:
  ∃n(P(n) ∧¬Q(n))
これを普通の言葉では
  「1/n>0 が成り立たないような自然数 n が存在する。」
  「1/n≦0 をみたす自然数 n が存在する。」
などと表すことができる。


集合

「∈」「∋」「⊂」「⊃」「=」「∪」「∩」などの記号について学びました。

注意
(1) 「x ∈ B」は要素集合の関係を表しており、 「A ⊂ B」は集合集合の関係を表しています。 混同してはいけません。これらを区別するために、この講義では、
  「x ∈ B」を「x は B の要素である」「x は B に属す」「x は B に含まれる」「B は x を含む」、
  「A ⊂ B」を「A は B に包まれる」「B は A を包む」
のように表現して区別を明確にします。
(2) 和集合 A ∪ B、共通部分(交わり)A ∩ B はそれぞれ
  A ∪ B ={ x | (x ∈ A) ∨ (x ∈ B) }
  A ∩ B ={ x | (x ∈ A) ∧ (x ∈ B) }
と定義されますが「∨」と「∪」、 また「∧」と「∩」を混同しないよう気をつけなければなりません。 そのためにも、 「A ∪ B」は「A カップ B」とか「A 和集合 B」とか「A ユニオン B」のように読み、 「A ∩ B」は「A キャップ B」とか「A 共通部分 B」とか「A 交わり B」とか 「A インターセクション B」のように読むようにしてください。 決して「A または B」とか「A かつ B」のように読まないでください。


演習



課題レポート
[2](3)(5)の命題の否定を作りなさい。式とことばの両方で表しなさい。