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集合に関する基礎概念・その2

まず、模擬試験の後半部分の解説を行いました。 その後、証明問題に取り組むときの考え方について詳しく説明しました。

最後に、集合の「族」ということばを説明し、具体例として 集合 A の「べき集合」2A について解説しました。

小テスト:A={ x }のべき集合を求めよ。



演習

プリント#2の[2](1)(2)(3)(5) を解説しました。
(2)については、講義中F君の提案した「背理法」による証明が、講義中に紹介した証明より わかりやすい気もするので、紹介しておきます:
証明したいこと:任意の集合 A に対して、φ⊂ A が成り立つ。 これを論理式を使って書くと:
   ∀A(集合)(∀x( x∈φ ⇒ x∈A ))    *
となります。講義では「∀A(集合)」や「∀x」の部分を省略しましたが、 このように書いた方が正確です。さて、これを否定して、 「不合理」または「矛盾」を導いてみます。
*を否定します:
   ¬(∀A(集合)(∀x( x∈φ ⇒ x∈A )))
 ≡ ∃A(集合)(¬(∀x( x∈φ ⇒ x∈A )))
 ≡ ∃A(集合)(∃x(¬( x∈φ ⇒ x∈A )))
 ≡ ∃A(集合)(∃x( x∈φ ∧ ¬(x∈A ) ))
したがって、 x∈φ をみたす x が存在することになり、これはφが空集合であることに 反します。