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2005年
- ヴィタール
(2005/1/2, K's cinema):
本当は映画の日(1月1日)に見に行きたかったのだけれど、前日の雪が路上に残っていて、
出かける気力を喪失。2日にようやく腰を上げました。まず最初に選んだのは、
塚本監督の『ヴィタール』。監督が役者として出ている映画はいくつか観たのだけれど、
監督作を観るのはこれが初めて。もっとエロチックなものを期待していたけれど、
予想以上に純愛映画でした。ラスト近くではぐぐっときてしまいました。ただ、
ぼくの好みとしては、むしろ、「自分の死体が恋人に解剖されるのを感じている死んだ自分」
の話の方が好みかも。
- カンフー・ハッスル
(2005/1/2, シネプレックスわかば):
これは見応え十分なアクションコメディでした。
しょっぱなの、警察に殴り込みをかけたやくざのボスを演じるフォン・シャオガンの
異様な演技から、すっかりはまりました。『太陽の少年』のときも変だったけど、
ボルテージがいっそう上がったみたい。
舞台となるアパートは『七十二家房客』の雰囲気と全く同じ。
- いま、会いにゆきます
(2005/1/11, 天神東宝・5):
前半白々しいせりふが続き、とっても退屈なので、やめとけばよかったか……と
思いましたが、回想シーンの若い俳優さん達はとてもすがすがしくてほっとし、
おまけに最後で(ちょっと納得のいかないところはあるけれど)すごく切ない
話になって盛り上がりました。これ『心の旅路』
に肉薄する感動ものです。少なくとも『ジェニーの肖像』
よりはよくできてます。小説でいえば「たんぽぽ娘」かな。
これでふたりの子どもが女の子で、その子が
あるとき神隠しにあって過去の世界に飛んで、
子供のない文房具屋さんに育てられて……なんてなったら、「マイナスゼロ」
になってしまいますね。
陳腐なせりふが多いのと、気色悪い医者がでなくて、
大学進学以後の主人公の男性がもう少しまともだったら、もっと気に入ったのですが……。
あと、市川実日子ちゃんが可愛い! 角度によるんだけど、台湾のYukiちゃんにそっくり。
- 誰にでも秘密がある
(2005/1/12, ソラリアシネマ):
よくやるな〜、という感じかな。とても楽しい映画でした。
心に残る名作……というのとは全然違うけど。
三人姉妹の中で一番かわいいのは、やはりチェ・ジウの演じた次女。
一番きれいだったのは長女かも。
- 盲獣
(2005/1/29, DVD):緑魔子の出る古い映画です。
彼女の可愛いところ、妖艶なところの両方が見れてよかったです。
話はちょっと変態的で退屈でした。
- 踊る大紐育
(2005/2/5, DVD):500円で売っていたので、つい、買ってしまいました。
とても楽しいミュージカルでした。
コメディなので、踊りはなんだか滑稽でした。
- オペラ座の怪人
(2005/2/13, シネプレックスわかば):
音楽が派手で大げさで、なかなかよかったです。
今でも時々頭の中をテーマ曲がぐるぐる回っています。
ストーリー的には、突然現れた幼なじみより、
ずっと一緒だった怪人の方を選ぶのが順当だと思いましたが、一般的にはどうなんでしょう。
『ビューティフル』のミニー・ドライバーが出ていました。
なんかこんな役がぴったりの人ですね。歌は上手でしたが、本人が歌ったのでしょうか。
- きみに読む物語
(2005/2/13, シネプレックスわかば):
若い二人が出会い、親しくなるあたりの様子がとっても幸せでよかった。
観覧車のシーンは特に好きです。ただ「ユキエ」とか「折り梅」と比べると、
老人介護の問題というのは本気で扱っていない、
というか単なる話の仕掛けに使いたかっただけのような印象を受けました。
戦後のシーンでちょうど「踊る大紐育」のかかっている映画館が出ていました。
DVDで見たばかりだったのでびっくり!
最後のおまけは余分でした。
- パッチギ!
(2005/2/20, シネプレックスわかば):
暴力シーンがやたら多かったのが見ていて痛かったけど、
それを除くと素晴らしい青春映画でした。
京都の朝鮮高校は、銀閣寺裏の大文字山に登るときいつも前を通るので、
すごく親近感があります。
「イムジン河」も懐かしい! 中学校の文化祭でクラス対抗の合唱大会が
ありましたが、そのときひとつ上の学年のあるクラスが、
この曲を選んだような記憶があります。
葬儀のとき主人公が「帰ってくれ!」と言われるシーンがありますが、
昔のことを思い出してしまいました:たしか1982年の春だったと思うのですが、
イサカのコーネル大学で開かれた恒例の Spring Topology Festival の昼食会の席で、
向かいの席の Kim Hyuk さん(現在ソウル大学教授、当時ミシガン大学に留学中)
と話をしていたら、近くにいた W-C. Hsiang 教授(当時プリンストン大学)が突然、
第二次大戦時の日本軍の非道な行為について非難を始め、
自分は日本の製品は絶対買わない、日本にも絶対行かないなどと激しい口調で言ったのです
(その後何年かして、にこにこしながら来日しましたが……)。
ぼくがそのとき具体的になにを話していたのか覚えていないのですが、
多分脳天気に話している様子が、彼の気に障ったのでしょう。
周りの人もシーンとしてしまい、ぼくも何も言えませんでした。
そのとき、胸の中で、
『父親でさえ中学生だったので戦争に行っていないのに、
なんでそんな昔のことでぼくが非難されなくてはならないんだ!』
と理不尽さに反発しました。ですが、後になって、その考えは間違っていたな、と気づきました。
よい教育を受けある程度の暮らしをしている自分の現在があるのは、
自分の育った日本という国・その日本という国を支えてきた人々のおかげなのであって、
それは過去の日本の遺産なのであるのだから、もし負の遺産があるのならば、
自分はそれを引き継がなければならない、いいところだけ取って、
イヤなところはいらないという訳にはいかない、ということに気づいたのです。
ただ具体的に自分が何をすべきなのか、いまだよくわかっているわけではないのですが……。
- 草の乱
(2005/2/27, 東松山市民文化センター):
どうせがらがらだろうと思って出かけたら、すでに会場がかなりうまっている状態でびっくり!
実行委員が随分頑張ってチケットを売ったんですね!すばらしい!
映画は、秩父事件の全体像を描こうとしているのか、色んな人が出てくるので、
ごちゃごちゃして、ちょっと盛り上がりに欠けた気がします。
- アフリカの女王
(2005/3, DVD):昔初めてみたときは、「ソロモン王の洞窟」みたいな話かと思っていて、
楽しいラブコメだったのでびっくりしました。何度見てもとても楽しい映画です。
主人公二人は、まさにぴったりです。
- ロング・エンゲージメント
(2005/3/31, 岡山・文化シネマ2):
「アメリ」が評判ほど面白くなかったので、あまり期待しないで見ましたが、
これは良かった!
非常にむごい戦争を描いているのに、とても美しいシーンと色んな人の優しさのせいで、
見終わってとても幸せな気持ちになりました。
塹壕の中でトーストとココア(だったっけ?)を見つけ出してくれるシーンは
特によかった。黒板にMMMが現れたシーンにもどっきりしました。
また「黒衣の花嫁」みたいな役を演じたジョディ・フォスターもエンド・ロールで
名前を見るまで全然気が付かないほど役にはまっていました。
- 運命を分けたザイル
(2005/4/11, シネマ・クレール石関):
なんという迫力! 山の美しさにため息をつき、サスペンスに息をのみ、
死を覚悟してなお闘い続ける気迫に打たれました。
映画を見終わってから、書店で原作の文庫本を購入し、
自分のパソコンのデスクトップをこの映画のサイトからダウンロードした写真に
取り替えました。これはほんとにお薦め映画です。
ところで、原題の Touching The Void の Void ってなんのことを言ってるのかな?
[2005/9/5] DVDを購入。特典映像もいっぱいはいってます。
- インファナル・アフェアIII 終極無間
(2005/4/16, 岡山・文化シネマ2):
すでにDVDで見ていたのに、それでも、時間が前後したり、
妄想シーンがあったりで、なかなかわかりにくい。
狂っていくラウの描かれ方はすごい。
- 千年女優
(2005/4/19, NHK BS2):映画撮影と現実が交錯する不思議な映画でした。
盛り上がりそうになると、そのエピソードが終わってしまうという、
奇妙な構成。ラストも、すっこけるような主人公のせりふで終わります。
- ドニー・ダーコ
(2005/4/23, DVD):
これも、また、変わった映画でした。色々納得できないところはあるんだけれど、
それを突っ込む映画ではないようなので、その辺はあまり気にしないことにすれば、
見ていてとにかく面白い映画でした。確かに何度も見直したくなる映画です。
- Shall We Dance?
(2005/4/29, 岡山メルパ):
自分では踊る趣味は全然ないのですが、
ダンス映画は観ていて本当に楽しいですね。スーザン・サランドンも素敵でしたが、
なんと言っても、J.ロペスが魅力的でした。とてもセクシー。
灯りをつけずに練習するところはすごかった。
あと、あのバラのシーンはうまかった!
- バンガー・シスターズ
(2005/4/30, DVD):
もっと楽しい映画を期待していたんだけど、必ずしも楽しい場面だけでなくて、
ちょっともの足りない感じ。展開も特に面白みはありませんでした。
- スパニッシュ・アパートメント
(2005/5/1, DVD):
主人公は平凡な若者で、特に魅力的という人物ではないのだけれど、
イザベラという女性がとても魅力的。彼女の出てくるいいシーンがいっぱい。
そういうところだけ、サーチして見直してしまいました。
なんど見てもうっとりです。
- フォー・ザ・ボーイズ
(2005/5/7, DVD):安かったので買ってしまいました。
テレビ録画したビデオは持っているんですが、この映画は歌うシーンが多いので
DVDも持っておくべきかなと思って購入しました。
映画自体は老け役メークがちょっとやりすぎかな?と思うのですが、
ともかく歌のシーン(スタジオ録音のシーン、ステージでのシーン、その他)
が非常に充実していて、それだけで十分元が取れます。
- ベット・ミドラー・イン・ラスベガス / DIVA LAS VEGAS -- Experience the Divine
(2005/5/8, DVD):ベット・ミドラーをもっと見たくなって、Amazonで
『Divine Madness!』のDVDを注文しました(もちろんビデオは持っている)が、
こっちは店に売っていたので直接購入しました(もちろん、こっちもビデオは持っている)。
迫力は、若いときとはさすがに見劣りしますが、90年代以降の曲が聴けるのが嬉しい。
気になるのは最後のメンバー紹介で紹介される女性。高音部を補ってくれたと言ってるけれど、
どういうことなのかな!
- ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ
(2005/5/9, ジョリー岡山東宝):
怖そうな映画だな……とは思ってたんですが、いやあ、怖かったです。
見なきゃよかった。女の子の迫力、すごいですね。最後の絵の意味がよくわかりませんでした。
- 甘い人生
(2005/5/10, シネマ・クレール丸の内):
悲惨そうな映画だな……とは思ったんですが、いやあ、実に悲惨で見ていて痛くなる映画でした。
見なきゃよかった。主人公も、その他の人物も皆、いやな奴ばかり。
全然誰にも感情移入できなかったですが、あれだけ痛めつけられたのを見ると、
さすがに主人公を応援する気持ちが出てきました。もうやけくそ!
この映画も、最後に主人公を殺す男が一体なんなのか、よくわかりませんでした。
途中ちょっとだけウトウトしたせいかも。
- バッド・エデュケーション
(2005/5/10, シネマ・クレール石関):
これは思いっきりドラマ部分が充実していて、見応えは十分でした。
でも最後近くで明らかになる事実は、思いっきり沈んでしまうような内容。
あと、役者さんの顔があまり判別できなくて、わかりにくかったところがありました。
音楽は良かった。家に帰る途中、サントラCDを購入しました。
今も聴いています。
それにしても、みんなそんなにセックスしたいですかねぇ。元神父なんて、ほんとに、
好き者でしたね。ぼくなんか50にして枯淡の境地ですよ。
- バンジージャンプする
(2005/5/14, シネマ・クレール丸の内):
DVDで2回観た映画ですが、最初と最後のシーン、
それから山登りをして絶壁の上に立つシーン2をスクリーンで見たくて、
見に行きました。岡山の初日の第一回上映だったのですが、
イ・ビョンホンのファンと思われる女性たちで一杯でした。
男はぼくも含めて3人だけ。端っこで縮こまって見ました(^^;。
で、前も書いたような気がしますが、何度見ても終わり方は納得がいかないです。
(以下ネタバレ)
だって、離ればなれになった二人がやっとめぐりあえたのに、
どうして二人でバンジージャンプしなければならないのでしょう。
男と女でないと二人は愛し合えないのでしょうか。
生まれ変わっても、どうなるかわからないのに……。
(以上ネタバレ) あと、イ・ウンジュは髪が短い方がずっといいですね。
ところで、主人公が罷免されて、家を出て安ホテルで終日ベッドに寝ているシーンが、
ちょうど単身赴任でワンルームマンションで暮らしている自分の姿と重なり、
その侘びしさが身にしみて感じられました(^^;。
- 英語完全征服
(2005/5/14, シネマ・クレール石関):
おお、これは楽しい映画でした。マンガの世界ですね。途中ちょっとだれるけれど、
最後の地下鉄のシーンは良かった! 寝たふりなんか、とっても可愛かった。
最後のエピソード集も楽しいです。
- バルカン超特急
(2005/5/15, DVD):こんな面白い映画が500円で観れるなんて!
とってもお買い得なDVDです。
大学生の時、岩波ホールで観ました。
最初はのんびりと話が始まり、列車の旅が始まってからはどんどん
テンポがあがり、最後は、あまり説明無しに終わってしまうというところが
なかなかいいです。
最初主人公かと思わせるイギリス人二人組がすごく可笑しいし、
本当の主人公の若い男女の関係も、観ていて、とても楽しい!
最後、列車の中にいた敵がどうなったのかとか、
あの尼さんがどうなったのかとか気になるところもあるけれど、
まあたいして重要ではないのでしょう。
- ライトニング・イン・ア・ボトル
〜ラジオシティ・ミュージックホール 奇跡の夜〜
(2005/5/21, シネマ・クレール丸の内):
お薦めマークを付けたんですが、ブルースの苦手な人には全然どうでもよい
映画かもしれません。お好きな方だけご覧下さい。
ぼくはこの手の音楽が好きなので、最初から最後まで楽しめました。
目当てはB・B・キングでしたが、彼はトリ。まあ当然でしょうか。
一番盛り上げたのはソロモン・バークという頭のつるつるの人。
エンタテイナーですね、この人。
黒人なのにKKKの集会で演奏をした話は受けました。よくぞご無事で!
ブルース・ブラザーズの映画で金網の中で演奏するシーンを思い出すような話も
ありました。
ぼくがB・B・キングを生で観たのは多分1979年の暮れ。
当時留学していた Va. Tech (Blacksburg, VA) で行われたコンサートでした。
前座は Born To Be Wild の一発ヒットのSteppenwolfでした。
これも懐かしい〜。大学には学生のFMラジオ局WUVT-FM
(WUVT Official Site,
WUVT Alumni Page)
というのがあって、
そこの番組でブルースばっかりかけるものがあって、テーマ曲が
BBの The Thrill Is Gone でした。いつもこのイントロが流れはじめると、
題名とは逆に背筋がゾクゾクってしたものです。
なので、彼の歌で一番好きなのはこれ。今回の映画で歌っているのは
Sweet Sixteen でした。
ブルースって、はっきり言ってどの曲もおんなじようなものなんですが、
それがなんとも堪らない魅力です。この映画のサントラは買わなきゃな。
それにしても、こんな楽しい映画を静かに観ていなければならないなんて、
ほんと苦痛でした。だって、体が動くでしょう? 足も動くでしょう?
どっかで、立っていい、歌っていい、声を出していい、踊っていい、っていう
上映会をやるといいですね。
- 警察有約 / The Law of Romance
(2005/5/25, DVD):『太陽の少年』の夏雨くんが主演。
5人の姉に世話を焼かれて育った駄目警官を演じて、
中国電影金鶏奨で主演男優賞をとりました。
ガールフレンドのいない彼に姉たちは次から次へ女の子とのデートを企画するが……、
というコメディ。なかなか楽しい映画でした。
- 自娯自楽 / Master of Everything
(2005/5/26, DVD):こちらにも夏雨くんが出ていますが、どちらかといえば脇役。
ココ・リーという人は写真ではなんだかけばけばしい感じで、全然好みではなかったのですが、
映画を観てびっくり! お馬鹿な女の子を演じていて、とっても可愛い!
あと、やはり『太陽の少年』で好演していたタオ・ホンも出ています。
- ミリオンダラー・ベイビー
(2005/6/3, SY松竹文化):
前半は好きなんだけど、悲劇が起きてからは、観ていてとても辛い話になってしまいました。
こんな終わり方しかなかったのかなあ。
- 故郷(ふるさと)の香り / Nuan
(2005/6/4, シネマ・クレール石関):ブランコのシーンがなんども出てきてとても印象的でした。
主人公はあまり共感できる男じゃないけど、香川照之演じる男が良かった。
原作は莫言なんですね。
以前ラジオの中国語講座でやった『夜の漁』は名作だと思いました。
土のにおいのする泉鏡花って感じかな。
- 電車男
(2005/6/11, 岡山メルパ):面白かったんだけど、なにかもうひとつ盛り上がりに欠ける映画でした。
- オペレッタ狸御殿
(2005/6/13, 文化シネマ2):なんと言っていいか、千円の日だったんで観たんですが、
1800円払ったらちょっとあまりに馬鹿馬鹿しすぎるかも。
チャン・ツーイーは綺麗。
- コンスタンティン
(2005/6/13, 千日文化シネマ):続いて、もう一本。
ストーリーは平凡でしたが、テンポは良かった(狸御殿のあとだったせいか?)し、
CGもよくできていて、楽しめました(というかどきどきして観ました)。
ラストも、ほっとさせてくれました。
でも、天国や地獄があるという設定って、死んでも終わりじゃないっていうことだから、
サスペンスが減ってしまいますね。
- 12夜
(2005/6/19, DVD):セシリア・チャンが浮気者の恋人と別れて友達のボーイフレンドと恋仲になるが、
結局ふたりの気持ちはずれていき別れてしまう……そしてまた……という、
なんかしょうもないストーリーの映画です。
DVDのケースにもそう書いてあったんだけど、もう少しましな映画を期待して購入。
いささかがっかりでした。セシリア・チャンも昔の輝きがないね〜。
むしろ、彼女の友達の、ちょうど磯野貴理子(この人も大好き)みたいな女性……
彼女の方がぐんと魅力的だったです。
しょうもない……と感じたのは、ぼくがそういう別れを経験したことがないからなのかも
しれません。つまり、まあ、恋人と言えるほど親しくなった女性が今の妻以外にいなかった
ということなんですけど。なので、なにかピンと来ない。
そもそも、ひとの持ちに鈍感だから、一度も恋が実らなかったのかも知れません。
だから観る人が観れば面白い映画なのかも。最近やや敏感になってきたようで、妻との別れが近い
(というか、妻が岡山にきてくれない)のではという予感のする今日この頃です(苦笑)。
普段香港のDVDはYesAsiaで買うんですが、岡山に来てから
亞洲樂園市場(アジアン・パラダイス・マーケット)
というお店を時々覗いていて、先日はテレサ・テンの「天国の情人」のセットを買い、
昨日はこのDVDを買いました。値段はちょっと高いけど、目の前にあると、つい
手が出てしまいます。7月からはもう少し駅に近くなるようで、楽しみです。
- 村の写真集
(2005/6/20, シネマ・クレール丸の内):『山の郵便配達』の「郵便配達」を
「フォトグラファー」に置き換えました……という映画。
年老いた父が息子を連れて山を歩きます。最後には息子におんぶされます。
あんまりといえば、あんまりだけど、でもこのパターンってぐっと来るところが
あるんですよね。後半、涙で画面がにじんでしまいました。父親役の藤竜也がよかった。
第8回上海国際映画祭で最優秀作品賞を獲得したそうです:
http://8th.siff.com/index_en.php
- ZOO
(2005/6/26, シネマ・クレール丸の内):
乙一のファンなのでこれを逃すわけにはいきません。
特に好きなのが「SEVEN ROOMS」。
最初の謎解き部分もエキサイティングだし、なにしろ怖い!
そして最後の切なさ……。
で、映画の方は、原作を始めて読んだときほど怖くありませんでしたが、
原作の雰囲気はうまくできていたと思います。
最初の話の双子の子も妖しくてよかったし、
最近評判の神木君というのも初めてみましたが、なかなかの美少年でよかった。
- 氷雨
(2005/7/4, シネマ・クレール丸の内):
山岳シーンに期待していました。風景は確かに美しく撮れていましたが、
山で遭難する部分が作り物っぽくて、観ていて寒さが伝わってこなくて、
ちょっとがっかりでした。時間が進んだり戻ったりするのもテンポが悪くなるし、
結末が予想できてしまうので、マイナスだったと思います。
そもそも不倫の話って、観ていてあまり気持ちのいいものではないです。
- 人生の逆転
(2005/7/4, シネマ・クレール丸の内):
全く期待しないで観たら、この映画、なかなか良かったです。
なにしろ女の子が可愛い!! 何年もゴルフのブランクがあるのに、
ビールを飲みながらの練習でそんなに腕が上がるというのは、あまりにも
無理が歩きがしますが、まあそもそも設定そのものがありえない話なので、
仕方ないでしょう。ラストもじんわり嬉しい終わり方。
クレジット・ロールで、もう一人の「主人公」の様子が描かれるのも、
なんともおかしくて良かったです。
- マラソン
(2005/7/6, 文化シネマ2):自閉症の若者がフルマラソンを完走する感動作。
母親の気持ち、弟の気持ち、ひょんなことから関わりになってしまう元マラソン選手の気持ち、
それらが皆びんびん伝わってきて、観ている間、ず〜っと泣いてました(笑)。
こりゃあ、いい映画です。韓国で大ヒットっていうのも納得です。
出張ばかりしていて、子供のことは妻にまかせっぱなしの父親の姿も、
観ていてぐさっときました。
- HINOKIO
(2005/7/11, MOVIX倉敷):
なんというかジュンという子がたまらなくいいです。
でもネタバレになるので以下は反転させて読んでください。
最初出てきたとき、次男の友達のTAKAKI君とそっくりで、
「おおっ、いい子だな!」って思ってたんですが、
実は女の子だったのでびっくり! すっかりこの子にはまってしまいました。
現実がゲームと絡んでくるという設定はつまらなかったですが、
この子を観ているだけでうっとりでした。
最後、中学生になった彼女と再会するとき、どんな格好してるんだろう!
と期待したのですが、なんと平凡に制服を着ていたのにはがっかり……。
そんなジュンは観たくない!!!! いいの?そんなスカートはいたりして。
ちょうどヒラリー・スワンクがアカデミー賞でドレスを着て出てくるのを見るような失望を覚えました。
それはともかく、先日『マラソン』で、いい映画を観たなと満足したのですが、
やっぱり家族愛より異性愛(^^;。こっちのほうがより切なくて、何度も見たくなります。
7/30に、また見に行きました。ストーリーを知って見ると、ちゃんとクラス担任が
名前を呼ぶときの呼び方なんかでわかるように作ってあるんですね。
早くDVD出ないかな。待ち遠しい!
- 逆境ナイン
(2005/7/11, MOVIX倉敷):
『少林サッカー』や『カンフー・ハッスル』を思わせるオバカ映画。
けっこう笑えました。楽しかった。
- エレニの旅
(2005/7/13, シネマ・クレール丸の内):
第二次世界大戦をはさんだ数十年のギリシャの姿を、エレニという女性を通して描いた映画です。
非常に美しいシーンや印象的なシーン(アメリカに出稼ぎに行く夫を見送るときの「毛糸」のシーンとか)
もあるのですが、そういう効果を狙いすぎて、妙に芝居がかったシーンが多く、
まるで舞台を見ているようで違和感を覚えました。また、観客が見たいもの、気になるものを
あえて画面からはずしたり、汽車で隠したりするので、しかもそれがやたら頻繁にあるので、
やりすぎではないかと思いました。
そして、主人公のエレニに特にこれといって魅力がないので、どうしても映画に引き込まれず、
長〜い映画だな〜と思ってしまいました。
ただ、音楽だけは良かった!
(『アマポーラ』を聴くと沢田研二を思い出してしまうのはぼくだけでしょうか)
- 旺角黒夜/ワンナイト・イン・モッコク
(2005/7, 香港版DVD):
この映画でのセシリア・チャンは良かったです。
中国から香港に出稼ぎにきている娼婦の役ですが、生き生きしていてとっても好感のもてる役です。
相手のダニエル・ウーも、普段いい男すぎて好きじゃないんですが、
この映画では大陸から仕事に来た純情な(?)殺し屋の役で、良かったです。
『ラヴソング』を思い出してしまいました。ただ、『ラヴソング』と違って、
主人公二人は最後まで恋人にはなりません。そこが気に入りました。
- ココシリ/マウンテンパトロール
(2005/7/17, 中国版DVD):
密猟者を取り締まる「マウンテンパトロール」を描いています。
大自然を小さなテレビで見るのはあまりにも物足りない!
話は淡々と進むので途中寝てしまいました。
- 天下無賊
(2005/7/24, 香港版DVD):大金を持って長距離列車で旅をする純粋無垢(おバカな?)な若者。
その金を狙うスリ・チーム(ボスはグー・ヨウ、部下の中にはあの可愛いリー・ピンピンも)
と彼を守ろうとするスリ・チーム(アンディ・ラウとルネ・リウ)!
そして謎の二人連れ。
ワザを見せるシーンは本当に華麗。まるで舞踊を見ているようなシーンもあります。
生卵の殻を剥くところはすごい。切ないラストはちょっと唐突すぎるかも。
そして景色の美しいこと!
こりゃ、ヒットするのも無理ないです。
広東語版で見たので、今度は普通話で見てみます。
- フライ,ダディ,フライ
(2005/7/29, 新宿トーア):金城一紀のゾンビー三部作を読んでとても気に入ったので、
見に行ってきました。スンシンを演じた人が美形で、しかも雰囲気がとてもよかった。
恥ずかしながら、岡田准一って知りませんでした。
面白くて、見終わって気持ちの良い映画でした。
ただ、気になることといえば、
高校生があまりに高校生らしくないことでしょうか。
いくらなんでも高校生っていう年には見えませんでした。
でも『HINOKIO』の小学生たちもみな15,6歳?!
こっちはけっこう小学生に見えたんですけど……。
あと、山下が下品すぎ。原作者本人が脚本を書いてるんで、
ぼくがケチをつけるのはお門違いなんですけどね。え!?
あれ、原作じゃなくて、脚本からのノベライズ?
失礼しました。
- 恋する神父
(2005/7/31, シネリーブル池袋):『人生の逆転』でとても気に入ったハ・ジウォンが、
また違った雰囲気で、生き生きしていて、とてもよかったです。
一方、主人公は全体的に雰囲気が暗くて、あまり魅力的なシーンはなかったような気がします。
できの悪そうな友人のほうは、最初の印象とは反対に、結構まめに、教会の仕事などを
こなして見直しました。それに反して主人公はぐじぐじしているか、
機嫌を悪くしているかで、はっきり言って、役立たず。
元々、神父に向いてないんじゃないかな?
- ハサミ男
(2005/8/3, シネマ・クレール石関):
原作を読んだときは非常に驚いたので、一体どう映画化するのだろうと非常に
興味深かったのですが、なるほど……、そうきましたか……。
そりゃ、原作のままでは映画化は無理ですよね。
何を書いてもネタバレになってしまいそうで、何も書けないのですが、
この映画はうまく作ってあると思います。
食べ物の話とか、デブだとかの話が消えてしまったのは仕方ないんだけど、残念かな。
麻生久美子さんって、あの喉に魚の骨がささる映画の人ですよね。
あれもよかったけれど、この映画でも、なんとも言えないフェロモンを発していて、
恍惚として見とれてしまいました。DVDが出たら、買ってしまいそう……。
- PTU
(2005/8/5, DVD):
一人の非番警官が不良グループとトラブルを起こし、
バナナの皮ですべって転倒するというドジのせいで、拳銃を失い、
朝の4時までに取り返さないといけない!
というまるで「ミッシング・ガン」のような設定の始まり方ですが、その後の展開は全然違ってます。
色々人が出てくるので、どういう関係なのかちょっとわかりにくかったです。
最後に出てくるバナナの皮は最初のものと同じやつなのでしょうか。
警官たちのフラッシュライトの持ち方が日本人と違いますが(握った小指側にランプがくる)、
香港の人はみんなあんな風に持つのかな。
- リンダ リンダ リンダ
(2005/8/10, シネマクレール丸の内):
ペ・ドゥナも含めて女の子たちは可愛かったし、
恋の告白の面白いシーンもあったりしたんだけど、全体的には退屈な映画でした。
「リンダ リンダ リンダ」っていうのが一体いつ頃はやったのか知りませんが、
この歌があまりよくないんじゃないかとも思います。
まあ、単にぼくが嫌いなタイプの歌だって言うだけのことなんですが。
- ヒトラー〜最期の12日間〜
(2005/8/17, シネマクレール丸の内):
むむむ……、見応えのある映画でした。
自分の住む世界が崩壊していく怖さがよく出ていたと思います。
ぎりぎりになるまで、本人自体が納得できないんですね。
- 情人結
(2005/8/20, DVD):
「ロミオとジュリエット」のような話。
この映画のヴィッキー・チャオはすごく良かった。
舞台となるアパート(ハルピン?)の雰囲気が
「太陽の少年」のアパート(こっちは北京)と似ていたりして、
見ていてなんか懐かしい感じがしました。
この監督・脚本コンビはそういうのが得意ですね。
ただ、ストーリー的には、主人公二人が親を大切にしすぎ!!
最初から、自分たちのよいと思う道をどんどん進んで行くべき。
- ダーティファイター
(2005/8/21, DVD):
今回が3回目くらいかな? クリント・イーストウッドが
ストリート・ファイターを演じる話なんだけど、そういっちゃうと、
イメージが多分違ってしまいそう。
ビール片手に気楽に観るのにぴったりの映画です。
態度のでかい警官やクリント・イーストウッドを追いかけ回す暴走族などの
悪役もずっこけていて、なんだか憎めないし、なにしろイーストウッドの
つれあいを演じるオランウータンがいい味出してます。
手のピストルで撃たれて死ぬ演技なんか最高。
この映画で「オランウータン」の英語の発音を覚えました。
おっと、あのおばあちゃんも忘れちゃいけないですね。
おばあちゃんと、暴走族のシーンは見ものです。
なんでこのDVDを買ったかというと、昔、
この時期のクリント・イーストウッドの映画を観て、ソンドラ・ロックの
ファンになったせいです。なんかちょっと病的で男顔(?)だけど、そこがまたいい!
いつだったかガンになったという話を聞いて、もうてっきり亡くなったかと思っていましたが、
まだ仕事をしてるみたいですね。
題は「ダーティ・ハリー」から一部拝借したんだろうと思いますが、
原題は「Every which way but loose」で、同題の主題歌が最初に流れます。
辞書によると「every which way」って「四方八方に」とか「取り散らかして/乱雑に」
っていう意味らしいんですが、全体としてどういう意味なのかピンときません。
どなたか教えていただければ幸いです。
- 彼女を信じないでください
(2005/8/22, シネマクレール石関):
これは面白い映画でした。キム・ハヌルは「氷雨」みたいな話より、
こういうのが絶対似合っていると思います。とっても可愛かった。
天地真理みたいな感じかな。話の進み方はちょっと無理があると思う。
最後、お姉さんと会うところは、泣けてしまったです。
- ある日どこかで
(2005/8/24, DVD):何回かテレビで観て、録画ビデオもたしかまだ捨てていないと思うんだけど、
つい、買ってしまいました。ほんとにロマンチックな映画です。
「ジェニーの肖像」もいいけど、こっちもいい。
なんといっても、資料室の壁にかかっている女優さんの写真が最高です。
うっとり……。「太陽の少年」で出てくるミーランの写真より、こっちのほうが綺麗かな。
- 陽のあたる場所から
(2005/8/31, 岡山県立図書館多目的ホール):
「もしもあなたの身近に、心に病を持つ人がいたら、どう向き合いますか?
『私を助けて』そんな声を聞いたなら、あなたはどうするでしょうか?」
というちらしのことばを読んで、まず思ったのは、「何もできない!」ということ。
自分の経験では、親身になればなるほど寄りかかられてしまって、
とてもじゃないけれど、他のことがなにもできなくなってしまいます。
よほどのことが無い限りそこまでは普通できません。この映画では主人公が
フランスの精神科医なんですが、一言も口をきこうとしない女性患者に
妙に興味をひかれ、彼女を救おうと、一緒に外出したり、自分の父親の家に連れて行ったり、
というちょっと普通ではありえないような行動をとるようになります。
なぜこの患者だけを?というのはよくわかりません。
ある意味、恋におちてしまったようなものなのでしょうか。
自分の休み中に、彼女の身元が判明し、故国アイスランドに送還されたときくと、
彼女のことが心配で、仕事を休んでアイスランドの孤島まで追いかけていきます。
原題の「Stormy Weather」の通り、荒天の続く冬の島はどんよりとした寒々しいところ。
産業は漁業しかなく、女性には魚の加工工場で働くぐらいしか仕事がありません。
患者・ロアは妻を愛する夫をもち、今は赤ん坊もいるのに、おそらく
閉塞感から、何度も家出を繰り返していたのでした。
島の人々は悪い人たちではないのですが……。
ラスト近く、ほんのつかの間の陽射しの中で二人が並んで座り交感するシーンが
観る人をほっとさせてくれます。
主人公が夜になった島で、宿を求めて歩くシーンは、
異邦の地にひとりぼっちでいる心細さがよく出ていたと思います。
また島の風景はすばらしかったです。行ってみたい……。
- 邂逅(めぐりあい)
(2005/9/3, DVD):
主人公の二人が豪華客船で知り合い、惹かれあっていくところは、とてもロマンチックで
楽しいです。途中の寄港地で、男の祖母を訪ねるところも、とても幸せになれます。
節度ある人たちばかり出てくるとても気持ちの良い映画です。
ラストは涙なしでは観れません。名作ですね。
- サマータイムマシンブルース
(2005/9/3, シネマクレール石関):
リモコンが壊れてクーラーの使えない真夏の部室に突如現れたタイムマシンと謎の未来人?!
壊れる前のリモコンを求めてアホ学生たちが
時の流れの中を右往左往するタイムトラベル映画!
これ、馬鹿馬鹿しくて、とっても楽しい映画です。
公開時期がちょっと時期はずれになってしまってる気はしますが……。
過去を変えたら世界が消えてしまうという設定なのがいいですね。
自分的に一番受けたのは携帯電話のエピソードかな。
この映画での上野樹里はけっこう大人しい感じですが、それでもやはり可愛いです。
最後、主人公二人の幸せな(?)未来が予感されて、いいですね。
それにしても、この映画も香川ですか! 香川県は映画に力を入れてますね。
また行ってみたい場所が増えてしまいました。
題はあの名曲「Summertime Blues」をもじったのでしょうか。
話は変わりますが、チケットを買うとくれる「うちわ」は
「省エネルギーセンター」という団体の宣伝になっています。
で、この団体のサイトを覗いて見ると
案の定、「サマータイム」を推進するページがあります。
ほとんど効果はないに等しく(それどころか
「日中の使用が中心である業務用冷房については省エネとなるが、
家庭用冷房についてみると午前中の省エネ効果を上回る夕方の増エネ効果があるため
全体としては若干増エネとなる。」と書いてある!)、
実行する労力・費用が膨大なのにも関わらず、これを推進しようとする人は、
家庭や職場の色々な時計・電子機器の時刻あわせなど自分ではしないエライ人なのか、
これで業績が向上する業界の利益を重要視しているのに違いありません。
単に始業時刻を季節によって変えればよいだけのことではないですか。
今でも小中高では同じことをやってますよね。
なお、反対意見は例えば奥村さんの
「夏時間を考える」
や、すのものさんの
「夏時間(サマータイム)導入に反対です」
にまとまっていますので、ぜひご覧下さい。
- NANA―ナナ―
(2005/9/5, 岡山・メルパ3):
二人のナナの友情物語。ちょうど「下妻物語」みたいな感じ。
どちらもそれぞれの魅力があっていいです。
好みは妖怪人間ベラみたいな方のナナかな、顔がよくわからないんだけど……。
バンドの話だと思っていたのですが、そちらの話は以外に少なく、
女の子っぽい方のナナ(ハチと呼ばれている方)と
そのボーイフレンドの痴話話みたいなだるい部分がけっこう長くて、ちょっと退屈。
二人のナナが住むアパートはすごくいい! 住んでみたい。
[2005/9/12]長男がこの映画のエキストラをやったというので、もう一度、観ました。
横浜のライブハウスの廊下に貼ってあるプログラムをのぞき込む客を
やったらしいのですが、残念ながら覗いているところはカットされて、
プログラムのアップだけが残ってました。2度目を観ての感想ですが、
やはり二人のナナが一緒にいるシーンを観ているだけでなんだか
幸せな気持ちになるいい映画でした。
ただ、ハチの家族はウザ過ぎ。あれで父親まで出てきたら熱が出るかと思いましたが、
出てこなくて良かった……。自分だったらあんな家に帰りたくないよ。
- ヴェラ・ドレイク
(2005/9/10, シネマクレール丸の内):
予告編を観たときから、なんかヤナ感じのおばさんだな……と思っていたのですが、
大体想像通りでした。善意の固まりなのはわかるのですが、登場人物の誰かが言っていたように、
おせっかいのしすぎ。自分の行為に対する反省もない!
おかげで家族まで辛い思いをしなければならなくなります。
でも、母に怒りをぶつける息子も含めて、まわりは優しい人ばかり。
特に、娘とその婚約者の控えめな温かさが心地よかったです。
- イン・ザ・プール
(2005/9/10, シネマクレール丸の内):
面白い映画だったんですけど、原作の小説を先に読んでしまったので、
やや、物足りなさが残ってしまいました。
伊良部医師のトンデモな行為を画面で見ると、
ちょっと退いてしまいます。
- タッチ
(2005/9/12, メルパ2):
長澤まさみがとっても綺麗です!
でも「ロボコン」のころから、似たような役ばかりで、つまらない気がします。
吉永小百合みたいにならないで欲しい。
- 17歳の風景〜少年は何を見たのか
(2005/9/17, シネマクレール石関):
ひたすら北に向かって自転車をこぐ少年の姿を描いています。
何度かフラッシュバックされる殺人の画面は実際に起きたことなのか……。
そうだとしたら、そのときこの少年に何が起きたのか……。
この少年はこの先どうなるのか……。
そのような疑問にこの映画は何も答えてくれません。
旅の途中、何人かの人たちとの触れあいはあるのですが、
全体的にはひたすら退屈な場面が続きます。
こういう映画は苦手です。途中何度もうとうとしてしまいました。
- ウィスキー
(2005/9/23, シネマクレール石関):
ウルグアイ映画です。
おんぼろな靴下工場を経営する男。その工場で働く老嬢。単調な毎日が繰り返される日々。
しかしこの男の弟がブラジルから兄を訪ねてくることになり、なぜか兄が老嬢に
自分の妻のフリをしてほしいと頼んだときから、二人の生活がいつもの道から外れていきます。
ぼくは女性の気持ちに鈍感なので、この女性の気持ちの動きがよくわからないのですが、
やはり心の中でなにかを期待するところがあったのでしょうか。
なのにあまりに真面目すぎる男が全く手を出さない……。
女性は弟の方と一緒にいると、以前の彼女とは見違えるようなお茶目さを見せます。
ことばを即座に逆に発音するところなんかとてもおかしい。
寝付けない夜、彼女は弟の部屋を訪ねていきますよね。
あの時ってやはり何かあったのでしょうか……。
観ていない人のために、最後のシーンについては書けないのですが、
あれは一体どう解釈したらよいのでしょう。
また、もとの生活が始まるかと思った時、突然の変化が起きるんですよね……。
女心ってほんとに微妙。
男は変われなかったが、女は変わったと解釈していいのかな。
男としてみるとちょっと切ないね。
あ、「ウィスキー」っていうのは写真をとられるときの「チーズ」の、
ウルグアイ版のことばなのでした。
- チャーリーとチョコレート工場
(2005/9/26, MOVIX倉敷):
昔のウンパ・ルンパは出てくるたび同じ曲を歌っていたせいもあって、
すごくインパクトがあって、見終わった後も頭の中をあの曲がぐるぐる
まわりっぱなしでしたが、
今回はその度ごとに違うタイプの歌を歌うので、印象に残らなかったです。
物覚えが悪くなっているとも言えますが。
面白くない訳じゃないけど、旧版を超えるものができたかというと、
それほどでもないんじゃないかと思いました。
旧版でウォンカが初めて姿を現して、よろよろしながら歩いてきて、
バタッ!!クルッ!!というところでは、本当にびっくりしました。
あれは良かったな。
- シンデレラマン
(2005/9/26, MOVIX倉敷):
あまり期待していなかったのですが、予想以上に感動的な映画でした。
家族を守るためなら、どんな屈辱的なことでもやる主人公がいいです。
最後では家族みんなが喜ぶ結果になり、他人事ながら、
ちょっと涙が出るくらい嬉しかったです。
ぼくは仕事のことは一切家庭に持ち込まないことにしていて、
勉強が進まないとき(まあ、それが普通の状態)に家族に心配かけたりすることが
ないかわりに、うまく行ったとき(まれにしか起こらない)も、
夫婦で喜ぶなんてことが無いわけです。
見栄っ張りだということかも。
こういう映画を観ていて、夫婦ってそれでいいのかなあ、などと反省してしまいました。
大恐慌のアメリカの様子も興味深かったです。“フーバー村”なんてものが、
セントラルパークにできていたということも、初めて知りました。
- ベルンの奇蹟
(2005/9/27, シネマクレール丸の内):
来年ドイツで開かれるワールド・カップにあわせて無理矢理作られた感動作、
という印象が強かったです。
第2次大戦中にソ連の捕虜となりシベリアに抑留されていた父親と家族の関係が、
最後に急に改善するのが無理があるような……。
サッカーの試合のシーンをなかなか見せてくれないのも、予算を節約した感じ。
父親が、サッカーボールに10年以上ふれたこともなかったのに、突然名人のような
リフティングするのも不自然で嘘っぽい。
- 運命じゃない人
(2005/9/27, シネマクレール丸の内):
これは面白い! 一晩の出来事が、段々さかのぼった時点から、しかも違う角度から、
何度も描かれ、その度に「えぇっ、そうだったのか!」と驚かせてくれます。
二人の女優さんはどちらも魅力的だし、私立探偵もなかなかいい男。
主人公がなんだかヘンだけど、それがこの映画に独特の雰囲気を与えていて、悪くない。
終わり方も、一瞬どきっとさせて、後で、ほっとさせてくれます。
いい気持ちになれました。
- Dear フランキー
(2005/9/27, シネマクレール丸の内):
DVの父親から逃れるために何度も引っ越しを繰り返す
男の子(フランキー)と母親とおばあちゃんの3人家族。
フランキーは父親に殴られたため、難聴で読唇術ができるという設定
(これが後で効いてくる?)。
今回引っ越して来たグラスゴー近郊の小さな村の学校では、悪ガキの隣の席になってしまいます。
母親はフランキーに、父親は船乗りで家に帰ってこれないなどといういい加減な嘘をついており、
それが見ていて気分が重くなる一番の理由。さらに、見知らぬ男に金を支払って、
一日だけ父親の役を演じて貰うなどという、ため息のでるようなことをしてしまうなんて……鬱。
それは悪ガキとフランキーが、父親が会いに来るかどうか賭をしてしまったからなのですが。
[ここからあとはネタバレなので、白で表示します。
マウスで選択して色を反転させれば読めます。]
だけど、実はフランキーは母親の嘘を見抜いていて、
それでも男が父親だと信じているフリをするんです。
それはラストまで母親にわからない。で、一体いつフランキーは真実に気がついたのでしょう。
近所で店を経営している女性のうっかりした言葉のせいかな?
この晩、フランキーは悪ガキと2回目の賭をしますが、負けます。
1回目の賭ではフランキーは母親のインチキのせいで勝ってしまったわけです
(このとき、悪ガキは当然自分が勝つであろうと思っていたにも関わらず、
素直に自分の負けを認めて、賭けていたカードをフランキーに渡します。
ここは、彼を見直すことのできるいいシーンでした)。
だからフランキーは一度目の賭の借りを返す意味で、わざと負けたのだと思います。
次の日も偽の父親と会えることになり、波止場で船から降りてくる父を待つのですが、
このとき男は本物の船員に、船の下にいるフランキーには聞こえないと思って、
船員のフリをさせてくれた礼を言います。フランキーはきっとこのとき男の唇の動きを
読みとれたのではないかと思うのですが、さすがに遠くて無理でしょうか。
もし、読みとれていたら、
フランキーはすべてが嘘であることを確信することになったと思います。
まあ、それはともかく、父親の代役をやった俳優さんも、彼を紹介してくれた母親の友人も、
非常に好感の持てる人たちで、とても暖かい気持ちになれました。
皆が幸せになるような予感をもたせる気持ちのいい終わり方でした。
スコットランドの言葉がなつかしかったです。いいところだったなあ。
- ダンシング・ハバナ
(2005/9/27, シネマクレール丸の内):
予告編をみて、とても楽しい青春映画のようだったので、見に行きました。
音楽もダンスもとても良かったです。劇場で見てよかった!
ただ主人公の女の子がぼくの好みでなかったのが残念。
男の子は可愛かったです。それから、女の子の妹をやっていたのが、
『ブルー・クラッシュ』でやはり妹役をやっていた子でした。
生意気で姉妹喧嘩をするけれど、本当は姉を愛している……
っていう役にぴったりです。
クライマックスになるのかと思ったダンスコンテストの決勝戦ですが、
他のカップルの方が上手で迫力があったので、どうなることかと思ったら、
思わぬ展開になってしまいました。なるほどね。
- ふたりの5つの分かれ路
(2005/10/3, シネマクレール石関):
映画はある夫婦が離婚して別れてしまうところから始まり、
次第に過去に遡ってゆきます。ちょうど、韓国映画のペパーミント・キャンディーと同じ。
つまり、
夢野久作の瓶詰地獄
と同じ構成。
この手のことやられると、幸せな瞬間すら、すべて悲しい風景になってしまうんですよね。
男の方は離婚が成立しても、なお、女に未練があったわけですが、
それならあんな強引なコトをしなければいいのに……と思うわけですが、
男はけっこう自分勝手。破綻するべくして破綻しているようです。
- メゾン・ド・ヒミコ
(2005/10/3, シネマクレール丸の内):
予告編でみた、柴咲コウのちょっと怒った目つきがたまらなく可愛くて見に行きましたが、
やっぱり彼女がよかった。で、映画はなんとなくハッピーエンド風に終わるのですが、
よく考えてみると、彼女の憤りの対象になったものって、全然解決されてないじゃないですか!
ルビーの世話のこともうやむやだし、メゾン・ド・ヒミコもどうなるかわからないし……。
落書きなんかしてる場合じゃないよ〜! 余計な金がかかるじゃない!
あの塗装会社の専務じゃパトロンは無理でしょ? まあ、そんなこというのは野暮かも。
楽しかったのは、みなでダンスホール(?)みたいなところに行ったシーン。
まず最初は「星降る街角」! これ昔、シングルを買いました。ほんとに調子のいい曲。
あと何の曲だったっけ……。最近痴呆が進んで、見た端から忘れてしまいます。
すぐに他の人たちとあわせて踊れるってヘンすぎ。
ともかくあのシーンの柴咲コウの嬉しそうな顔がよかった。
そして、イヤな男と喧嘩するときの彼女もいい。
あそこは泣けました。怒ってるのもいいし、嬉しそうなのもいい。全部いいです。
ただせっかく女装するんなら、あの男の人は、もっと綺麗にお化粧すればいいのに。
口紅だけじゃねえ。僕自身、女性が化粧するのは嫌いです。
だけど、男が女装するならある程度化粧しないとみっともなさ過ぎ。
う〜ん、これも偏見かな〜。男が男っぽい顔のまま、女性の服を着るのも、
別に悪いことをしてるわけじゃないからそれはそれで構わないとも言えます。
ただそうは言っても、やっぱりなんか漫画的に思える。刷り込まれてますね。
ぼくは蔦森樹さんのファンクラブ「吉祥天」のページを作っていたことがあるんですが、
何度かお会いした蔦森さんはほんとにきれいでした。
ああいう感じがいいなあ。
- バタフライ・エフェクト
(2005/10/22, DVD):
DVDのケースに書いてあった「映画史上最も切ないハッピーエンドの物語が、始まる」
には納得。なかなか面白い映画でした。
小さな子が悲惨な目に会う話はあまり見たくないんですけどね。
色んな運命をたどる女性を女優さんがうまく演じわけていました。
好みでは一番最初の、暗い感じのときがよかった。
この女性だけでなく、他の登場人物も色々な姿を見せてくれます。
ただ気になることがいくつか。
まず、いくつかの謎が説明されないまま映画が終わってしまうこと。
これ、とっても気になります。例えば、父親と会ったとき、一体何が起きたのかとか、
エヴァンはなぜそもそも「あの絵」を描いたのかとか。
それから、主人公のつける日記。
これはこの映画の要ですが、はじめてケイリーと出会ったときに戻った最終ラウンドには
「悪い」トミーはいないんだけど、それでもエヴァンは「あの絵」を描いて、
日記をつけなければいけなくなったのでしょうか。その辺の説明が全然ない。
それから、映画自体ではなくて、DVDの日本語字幕にも問題あり。
期末テストの終了時の先生のことばが「使用したテキストは前の机に戻しておくように」
のような感じに訳してありましたが、あそこは "Place your blue books on my desk"
と言っていて、 blue book というのは辞書を引けばすぐわかりますが、
学生たちがそれぞれもっていた、
答案を書くための青表紙のペラペラなノート(これは本人があらかじめ購入して持参する)
のことですから、
「答案は教卓に提出しなさい」とでも訳さないといけないと思います。
吹き替えのほうは大丈夫かな。また今度、暇なときに調べてみます。
- 龍鳳鬥(イエスタデイ・ワンスモア)
(2005/10/23, 香港版DVD):
サミーは相変わらず可愛いんだけど、話がつまらなすぎでした。
レイトショー公開になっちゃったのも無理ないですね。
- 私の頭の中の消しゴム
(2005/10/24, 岡山松竹):
ずいぶん泣いてしまいました。でも、「君に読む物語」のほうがよかったかな。
男と母親の葛藤は突っ込みが足りなかったので、却って、ない方がよかったかも。
どのように和解したのか納得できなかった……。
それから、男がカッとなって無茶苦茶暴力を振るうシーンがありました。
あれは見たくなかったです。
- 亀は意外と速く泳ぐ
(2005/10/25, シネマクレール石関):
「脱力系」というふれこみですが、たしかにこれは脱力してしまいます。
途中数秒だと思うんだけど眠ってしまいました。
わざとらしいギャグの連発で、けっこううんざり。
この監督さんとは趣味が合わないです。
女の子ふたりはよかったかも。べたべたしてなくていい関係じゃないかな。
下妻とかNANAとか、最近、女の子の友情(でもないか)
を描く映画がけっこう多いですね。
- ステルス
(2005/10/27, MOVIX倉敷):
やりたい放題の無茶苦茶な映画で、
そりゃ絶対まずいだろう!という突っ込みどころ満載です。
特に北朝鮮の兵士を殺しまくるのはいくらなんでもあんまりじゃないでしょうか。
作っている人はほんとにああいう展開をなんとも思っていないのでしょうか。
コンピュータが暴走したくせに、ころっと態度を変えるのも、予想もつかない展開でした。
こんなやつとの友情なんてあり得ないと思うんですが……。
ただ、空中戦は迫力がありました。燃料補給機のところが特によかったです。
- コープス・ブライド
(2005/10/27, MOVIX倉敷):
あまりにシンプルな話なので、見終わってやや物足りなさが残りますが、
とっても切ない、いい映画でした。ちょうど「シザーハンズ」の雰囲気。
エドワード・シザーハンズに対応しているのは、今度はジョニー・デップではなくて
死んでる花嫁の方。生きてるほうの花嫁もそれなりに可愛いけど、
この映画のメインはなんといってもこちら。
彼女のラストのシーンはとても美しかったです。
フィギュアとか売ってないのかな……。
主人公が生きてる方の花嫁とはじめて会うピアノのシーンもよかったし、
死んでる方の花嫁と一緒にピアノの連弾をするシーンも楽しかったです。
ぼくもピアノを習っておけばよかった!
映画は、字幕版のほうを見ました。ジョークがいっぱいです。
特に気に入ったのは、死者の世界に住む人が、生者についていう
「They are dying to get here (come here だったかな?).」というせりふ。
- ラヴェンダーの咲く庭で
(2005/10/31, シネマ・クレール石関):
二人で暮らしていた老姉妹と嵐の海から奇跡的に岸に流れ着いた若者の話。
もっと胸がときめくかと思っていたのですが、期待ほどではありませんでした。
映画館は中高年の女性客でいっぱいになりましたから、女性客には受けているのかも。
僕から見ると、若者に魅力がありませんでした。
お姉さんは素敵でした。というかこの女優さん、若いときの写真を見ると無茶苦茶美人ですね!
ところで、これが男女逆だったらどうかなあ……。
老兄弟のところに若い女の子が住むようになる……
そりゃ誰が見ても危険すぎてありえない話ですね(^^;。
女の子はしかるべき所に速攻で移されるでしょう。
実は、これレズビアンの女性が同棲している話なのかな、と思っていたんです。
あの傑作TV映画「ウーマン・ラブ・ウーマン」の最初の部分の女性達とか、
上原隆のドキュメンタリー「雨にぬれても」の中の珠玉の短編『女たちよ』
の女性達を連想していたのです。それがはずれたので、がっかりしたせいもあるのかな。
なにか物足りない映画でした。
- バス174
(2005/10/31, シネマ・クレール石関):
リオデジャネイロで起きた若者によるバスジャックのドキュメンタリー。
この事件はテレビ局が実況したので膨大な録画が残っていて、それがメインですが、
それに加えて、色んな人へのインタビューや種々の記録で犯人の育ってきた歴史を
描いて行きます。
犯人は幼いときに目の前で母親を殺され、ストリート・チルドレンになります。
ほとんどが20歳頃までに命を失うと言う悲惨な生活。
縁もゆかりもないのに、そんな彼を受け入れ、部屋を与える人が出てくるというのがすごい!
まるで神様のような人でした。でもほとんどの人にとってストリート・チルドレンは
「目に入らない人々」「目にしたくない人々」「いないことにしてしまいたい人々」
なのでした。
事件は最後は悲劇的な結果に終わります。一番の原因は警察側の不手際かも。
あらかじめ知識がなかったので、これはショックでした。
ドキュメンタリーではありますが、劇的な盛り上げ方はすごいです。
冒頭の空撮シーンの圧倒的な迫力を持っていて、クラクラしてきます。
また、バックに流れる音楽も重々しいです。
- タナカヒロシのすべて
(2005/11/1, シネマ・クレール石関):
ちょっと好きにはなれない32歳の男が主人公。
給料をカットされ、弁当を買う列には割り込まれ、血尿が出て、父を失い、母を失い、
インチキなリフォーム屋にだまされ……という悲惨な話ですが、
所々になぜか彼のことを悪く思わない女性が現れるという、けっこういい加減な話。
あんまり笑えませんでした。
女性は皆感じのいい人たちばかりでした。彼女たちが出てくるとホッとします。
あと、オープニングの「コーヒー・ルンバ」も良かった。CD持ってるはずですが、
東京の家族の所にあるか、津山の親戚宅の倉庫に置いてある段ボール箱の中にあるか、
どっちにしても今手元にないのが残念。
- おかあさん〔岡山映画祭2005〕
(2005/11/3, 岡山県立美術館ホール):
おかあさんをテーマにした作文を元に作られた映画。
「にあんちゃん」ほどではないけれど、まだ戦後といってもいい貧しかった時代に
懸命に生きる家族の様子が描かれます。
長女役の香川京子が可愛いかったのが印象的でした。
20歳ぐらいだったのでしょうか。
これだけで元が取れた感じです。
近所のパン屋の息子(岡田英次!)との初々しい恋も楽しい。
妹が親戚に引き取られていくところはちょっと泣けました。
この妹も可愛かったです。
- 夜ごとの夢〔岡山映画祭2005〕
(2005/11/3, 岡山県立美術館ホール):
1933年のサイレント映画。30年代といえば上海映画の黄金時代のことを
思い出してしまいます。
一瞬それに匹敵するかと思わせるモダンな出だしでしたが、
日本的なべたな展開になってしまいました。
使われている字体がおしゃれでした。読みにくかったですが。
ひらがなの「い」が末広がりなのはやりすぎかも。
主人公の夫が、子供の入院費用を得ようと強盗をするんですが、
そのとき顔の目から下を隠すためにハンカチで覆面をする、その姿って、
昔子供の頃マンガで見たような気はするものの、モロに見たのは初めて。
これはちょっと受けました。
主人公の栗島すみ子さんというのははじめてみました。
全然美人じゃないけれど、勢いのいいところに惹かれました。
ピアノ伴奏(柳下美恵さん)つきの上映でした。
- めし〔岡山映画祭2005〕
(2005/11/3, 岡山県立美術館ホール):
この日3つ成瀬作品を見た中で、一番見応えがありました。
上原謙と原節子が若い夫婦なんですが、旦那の方が、
カミさんの顔を見ても「腹が減った。めしはまだか」などとしか言わない。
いろいろあって、妻が実家に家出したりしますが、
最後はまた元の鞘に戻ります。でやっぱり、カミさんのそばにいると
なぜか腹が減る……というオチ。林芙美子の原作は未完なので、
彼女自身がどう終わらせたかったのかというのは気になるところです。
- メリンダとメリンダ
(2005/11/3, シネマクレール丸の内):
大好きなクロエ・セヴィニーが出ています。
彼女は「ウーマン・ラブ・ウーマン」の第2部でダイクの女性を演じていて
とても素敵でした。なんか少年っぽいところがあるんですよね。
映画は2つの話が交互に語られるので、面白いと言えば面白いかも知れないけれど、
まどろっこしいです。どっちかひとつにしちゃうとつまらなすぎる程度の話です。
喜劇と悲劇が対比されるはずだったのですが、どっちも同じ雰囲気に感じたのはぼくだけ?「コープス・ブライド」とかぶりますが、
この二つの話のどちらにも男女が惹かれあうきっかけとしてピアノが使われています。
ピアノが弾けるといいですね〜。
- またの日の知華〔岡山映画祭2005〕
(2005/11/5, 岡山オリエント美術館ホール):
2004年の原一男監督の作品。知華という女性の人生を4人の女優を使って描いています
(少女時代も含めると5人?)。そう書くと、若い頃からはじまっておばあさんになるまで
描いていると思うでしょ? 違うんですよ。ホンの10年ちょっとぐらい。
幸せな結婚をした知華が、夫の入院(肺浸潤)をきっかけに、
職場の同僚との恋愛、家出、水商売、……を経て、
売春でなじみになった男に殺されてしまうまでを描いています。
時々流れる現実の事件を書き留めておくと、60年安保闘争、安田講堂の攻防、
浅間山荘事件、三菱重工ビル爆破事件といったところだったかな。
4人の女優さんを使ったのはどういう理由だったのでしょう。
知華はどんどん転落の人生を送るわけですが、
変わっていくのをはっきり打ち出すためでしょうか。
10歳にもならない子をもつ女を描くのに、金久美子とか桃井かおりは
ちょっとおばさんすぎた気がします。
豊橋あたりの花火の祭りのシーンは美しかったですね。
ほんとにあんな祭りがあるのでしょうか。
個人的には第一章の知華が好みです。情熱的でよかった。
第三章の金久美子も時々とても可愛い顔になるのがよい。
でも亡くなられたんですね……。
- ゆきゆきて、神軍〔岡山映画祭2005〕
(2005/11/5, 岡山オリエント美術館ホール):
今年なくなった奥崎謙三が、終戦時にニューギニアで銃殺された二人の兵隊の
家族の代理となって、事件に関わった上官たちを訪問し、あるときは暴力を振るいながら、
彼らの責任を追及していくというドキュメンタリー。
彼らの不幸を「天罰」と呼び、それでも足りない場合は、自らが上官の
息子を銃撃して重症を負わせ、それを「天罰」と称する、天上天下唯我独尊、
ゴーマニズムの権化。国家による法を否定し、
神に替わってオシオキしようとする様子はすさまじい。
ともかく反論する余裕を与えず、ひたすらしゃべりまくる。
それにしても、当時のニューギニアでの悲惨な状況……
不要な人間、嫌われている人間から順番に殺されて食べられた……
をカメラの前で証言させたということはすごい。
みんな、あれは無かったことにしてずっと生きてきたというのに。
この執念深さは一体どこから来るんだろう……。
あまりの奇人ぶりに笑ってしまうシーンもあるけれど、この男に
カメラを向けることは罪ではないのかとも思えます。
- 微笑みに出逢う街角
(2005/11/5, シネマクレール石関):
「八月のクリスマス」までの時間つなぎに見ました。
最近よくある女性映画かな。中年の女性でいっぱいでした。
3人の女性が生き方を変えるような出来事に遭う話が平行して描かれ、
その軌跡が最後に一点に集まります。ただしストーリー自体は互いに無関係。
悪い話じゃないけれど、感動作ではなかったです。
ソフィア・ローレンの話の夫婦は、既婚者には参考になるかもしれません。
- 八月のクリスマス
(2005/11/5, シネマクレール石関):
ぼくが韓国映画にはまる最初のきっかけとなったこの作品をまたスクリーンで見られるのが
とても嬉しかったです。シム・ウナが先日結婚してしまいましたね。
写真では相変わらず綺麗でした。シム・ウナのあの生意気な可愛らしさは最高です。
傑作です。
- 鉄西区・第一部〔岡山映画祭2005〕
(2005/11/12, 岡山・三丁目劇場):
中国・瀋陽の古い精錬所がつぶれていく様子を描いたドキュメンタリー。
休憩をはさんで合計4時間! 疲れ果てました。
第二部、第三部もあるんですけどね……。
第一部の前半は、ひたすら休憩室の様子を描きます。みんなすっぽんぽんになって、
平気でそのまま将棋をしたり、廊下を歩いて風呂に行ったりします。
風呂の湯も、汚い……。後半では、思わぬ事故がおこったり、
ついに操業停止・破産と進んでいったり、……と動きがあります。
また操業停止後も、鉛を扱っていた人たちは一ヶ月間、保養所で、体の中の金属を
外に出すための注射をして、静養します。
働いていた労働者たちはこれからどうなっていくのか……、
またいつか続きを見たいと思いました。
今はちょっと遠慮しておきます。
- いつか読書する日
(2005/11/13, シネマ・クレール石関):
ちょうど50歳の主人公二人を描いていて、共感できる映画でした。
特に田中裕子が、自分の気持ちを誰にもいえず、ラジオ番組への葉書にそれを託すところが、
すごくよくわかります。最後、男が微笑んでいたのは、子供を救えたからなのかな、
それとも、高校の時のことを思い出して「なんだ、やっぱりオレって……」と思ったせいなのかな?
見終わって、あの石段ばかりの町を走っていた田中裕子の姿が印象に残っています。
- ALWAYS 三丁目の夕日
(2005/11/14, 岡山・メルパ3):
昭和33年の東京を描いたノスタルジックな人情話。う〜ん、ぼくは4歳か〜。
原作は西岸良平のマンガ。これ、高井くんが好きだったな。
なんか、子供の頃のことがとっても懐かしくなりました。付録がいっぱいついた少年雑誌、
自分の家にテレビがなくて、近所の家に子どもたちがいっぱい集まって
テレビを見せて貰ったこと、スカの多いねぶりくじ(岩国ではそう言ってました)、
……。
りんごのほっぺの堀北真希も可愛かったし、ちょっと貫禄の出た薬師丸ひろこも、
相変わらず可愛かったです。
- カーテンコール
(2005/11/19, シネマ・クレール石関):
下関三部作の最後ということで、期待したのですが、ちょっと期待はずれ。
雑誌の女性記者が取材で、色んな人に話を聞く、という展開のため、
テンポが速すぎた気がします。だから登場人物に思い入れができませんでした。
- 延安の娘[岡山映画鑑賞会]
(2005/11/20, 岡山県立図書館2F多目的ホール):
2003年、名古屋で見た映画です。
北京から田舎に下放されてきた若者の間に生まれてしまい、農民の一家にひきとられて
育った海霞さんが、自分の本当の両親を探して会おうとする話です。
いや、むしろその海霞さんの願いを叶えることによって、
自分自身の意味を見いだそうとする、元下放紅衛兵の黄玉嶺さんの話と言った方が正確かも。
今回は、監督さんのお話が聞けるというので、また見に行きました。
監督さんのお話はすっごく面白かったです。前見たときも、そして今回も、この映画は
ドキュメンタリーなんだけど、なんだかテレビでよくある再現フィルムみたいな印象を
持ったのですが、監督さん自身も「ドラマを撮る」という意識があったそうです。
そして登場人物(特に、海霞さんのために奔走する黄玉嶺さん)も、カメラを前にして、ある意味、
自分という役を演じているらしい……。といってもやらせというわけでなく、
この映画は、辛い過去をもつ人たちがどのように生きていくかを描くことを目標としており、
そういう意味でぼくは黄さんが好きです。プライドを持って、人間として生きようとする姿は
胸をうちます。
もうひとり好きなのは、海霞さんの嫁ぎ先の義姉。この人は、海霞の養父母との関係などに
とらわれている家族に対して、きっぱりと、海霞さんの支持を断言します。ほんとに、
見ていて気持ちの良い人でした。この人は北京に行く海霞さんにも付き添ってくれます。
一方、海霞さんは、とっても可哀想なんだけど、あまり好きじゃないです。
監督さんが、この映画で取り上げる人をさがしていたとき、役所の人は海霞さんのことを
「あの娘は知恵遅れだから選ぶな」と言ったそうですが、ほんとにそう見える時があります。
常に人の目を意識していて、こわい養父母の前では何も言えません。
おどおどして無表情で、ひとの言いなりの状態……実際小学校も3年までしか行かせて貰っていない。
でも、そうしないと生きて来れなかったんですね、このひと。
状況が許すときは、図々しいくらいでかい態度になるときもあるんです、
子供と二人っきりの時は、とても楽しそう。まるで人が変わります。
そして、海霞の本当の父親。北京で非常に貧しい暮らしをしています。
同じ下放された人たちの中でもしっかりした教育を受けた人と受けなかった人では、
まるっきりその後の生活が違うんです。いや、教育云々の事ではないのかもしれません。
同窓会に集まった他の人は、過去の辛い記憶を忘れて(忘れようとして)、
懸命に生きている人たちばかりです。特に女性は無茶苦茶元気がいい!
一体、何がこの違いを生んでしまったのか……。もちろん、同窓会に
集まれなかった多くの人たちというのがあるのでしょうが……。
ともかく、この父親を見ていると、「しゃんとしろよ!」と言いたくなる
(人のことを言えた義理ではありませんが)わけです。そんな情けない男と
結婚している妻(海霞の母親ではない)が、夫の過去を知り、
なんでその過去を教えてくれなかったのかと泣き崩れる様子が痛々しい……。
だけど、訪れた海霞さんを暖かく受け入れ、首飾りをプレゼントする、とても
優しい人でした。駄目男だからこそ面倒をみてやりたくなるタイプの女性なのでしょうね。
もうひとり重要な人物で、王偉という人がいます。これは地元の農民でしたが、
下放されてきた女の子をレイプし、その子が妊娠したので中絶させるために毒薬を飲ませたとし、
10年間刑務所(?)に入れられ、家族も財産もすべて失った人です。
その彼がいかに自分は無実かと言うことを切々と訴え、海霞さんの手助けをしている黄さんが、
北京で彼の主張を、処分に関わった当時の幹部に伝えようとします。
でも、村人も、また当時下放されていた人たちも、また、当の幹部も、
全く違う話をするわけです。曰く、妻がありながら若い女性に惚れ込み、
女性の気持ちを自分に引き留めようと、女性の部屋に行って、自ら服毒自殺まで試みた、
そんな男なんだと。
黄さんも、不本意ながら黙らざるをえない状況になってしまいます。
ぼくも見ていて、こりゃ分が悪いな、と思いました。
結局、この件はうやむやのまま。監督さんの話を聞くと、
元幹部と黄さんの面会は、あらかじめ周到に対応策を準備されていたものだということを知りました。
撮影チームがはいるわけですから、当然、幹部もそのための準備をしているわけです。
どう説明するかはあらかじめ考えていただろうし、普段、一緒に住んでいない幼い孫まで
自宅に呼んで、争いごとがおきにくいようにしてあったのです。
「ゆきゆきて、神軍」のような突撃撮影とは全く違うものだったのでした。
ドキュメンタリーを観るのって、すごく難しいですね。与えられた情報から、
裏まで見通して判断するなんてことは、はっきり言って、とてもできない。
もうひとつ、監督さんのお話でびっくりしたのは、黄さんの奥さんのこと。
映画にも出てくる黄さんの奥さんは、とてもチャーミングな女性でした。この人が、
実はこの時、村の長老の息子と不倫中で、映画の撮影終了後、子供を残して
家を出て行ってしまっていったのだそうです。
幸せな夫を「演じて」いた黄さんだったのに……。
なんとも気の毒な話でした。
- 8月のクリスマス
(2005/11/30, シネマクレール石関):
「八月のクリスマス」のリメーク。あまり期待しないでみたら、けっこうちゃんと出来てました。
かなり忠実に作っていて、よかったです。
女の子も、確かにシム・ウナの雰囲気がありました。
- イン・ハー・シューズ
(2005/12/1, 岡山メルパ):
弁護士をしている姉と奔放に生きている妹、そして彼女たちの祖母(シャーリー・マックレーン!!)の話。
ひどい目に遭わされても妹のことを案じる姉がとてもいい。
妹が新しい生き方に目覚めるのが、ちょっと調子よすぎる気はするけれど、
温かい気持ちになれるいい映画でした。
"The art of losing" という詩が心に残ったので、それのはいった詩集を注文しました。
早く来ないかな……。
- 恋する地下鉄(開往春天的地鉄)
(2005/12, 香港版DVD):
いつも地下鉄で乗り合わせる人たちをめぐる恋物語。
お互いに秘密がある若い夫婦、文通していた女性が初めてのデートの待ち合わせ場所で
爆発事故に遭い、罪の意識にさいなまれる中年男、地下鉄で突然商売を始める失恋女、
美しい少女に恋する少年、それらがからみあって不思議な雰囲気を出しています。
それぞれの登場人物が「観客」に向かって自分の気持ちをしゃべるという、
ちょっとありえない手法を用いるので、ある意味ファンタジーなのかも。
少年と少女のエピソードがドキドキして、よかった。
映画の最初のシーンで悲しい結末を予想させます(まるで「バンジージャンプする」?)が、
大丈夫なので安心してみましょう。
- サヨナラCOLOR
(2005/12/10, シネマクレール石関):
高校時代の主人公と現在の主人公の姿があまり重ならないのが気になりました。
それに、看護婦のお尻を掴んだりしたら、普通、クビじゃあないでしょうか。
医者の不養生そのものだし……。あぁ……、ぼく竹中直人が好きじゃないんですね。
じゃあ、なんで観に行ったのかっていうと、
中島みゆきさん(おっと「さん」まで付けちゃった!)を見たかったからです(^^)。
ほんのちょっとしか出番が無かったけれど、まあ、満足。
後、援交女子高生はチャーミングでした。気になって調べたら、
「スウィングガールズ」でベースをやった子だそうです。また今度DVDで見直してみます。
- 理想の女
(2005/12/10, シネマクレール石関):
ヘレン・ハントがすっっっっごく良かった! 惚れ惚れします。
タピー(でしたっけ?)の気持ちがよくわかります。
ラスト近く、ヘレン・ハントがスカーレット・ヨハンソンと二人で話をするシーンは、
特によかったです。
ただ、もう少しお肉がついているほうがいいのではないかとは、ちらっと思いました。
あと、ヨハンソンの旦那がハントのことをぼろくそに言うのはちょっとどうかと思いました
(特にドア越しのせりふ)。
この映画の原作 "Lady Windermere's Fan" は大学一年のときの英語の授業で読みました。
そのとき、"The Importance of Being Earnest" も読みました。
皮肉っぽいジョークのちりばめられた会話はとっても面白いですね。
Project GutenbergからHTML版ダウンロードし、
pdf に変換しました:lwfan10h.pdf。
1024x768の画面用に調整してあります。右矢印キーで次ページに飛ぶと読みやすいはずです。
機械的に変換したのでピリオドの処理やハイフン(ダッシュ)の処理がまずいですけれど、
興味ある方はどうぞ。
- 狼少女
(2005/12/25, テアトル新宿):
最初、子どもたちの演技がへたな感じがしたんですが、
観ているうちにぐんぐん引き込まれてしまいました。
「HINOKIO」と違って、本当に小学生の子がほとんど。
ストーリーは見え見えかな。いや、だからこそ泣けるのかも……。
- あぶない奴ら
(2005/12, 銀座シネパトス):
借金まみれの若者と借金の取り立て人という珍妙なコンビが謎の鞄を手にして、
謎の組織や警察に追われるお馬鹿コメディ。すっごくべたべたなギャグ連発で、
気楽に楽しめます。途中で仲間になる女の子だけがクール。
客の入りは悪かったです。仕方ないかな……。
- Mr.&Mrs.スミス
(2005/12/29, 池袋シネマサンシャイン):
ありえない設定で始まり、ありえない決着の付け方で終わる、無茶苦茶なアクションコメディ。
アンジェリーナ・ジョリーが素敵ですから一見の価値はあります。