唐組・第23回公演「眠り草」
牛丼がテーマということなので、吉野家で牛丼(大盛)を喰ってから観ました。
シンプルでなかなかいい芝居でした。
いつも電話予約では数時間つながらないことが多いので、
今回は前売券を使いました。
システムをご存知無い方に説明しますと、唐組の芝居では指定席はありません。
すべて自由席です。
入場券には3通りあります。ひとつは電話予約による券です。
これには申込順に通し番号がつけられます。
代金を振込み、券を郵送してもらうのが原則ですが、
時間的に間に合わないときは、とりあえず電話予約して当日受付で清算することも可能なようです。
2番目が前売券です。ぴあなどで、日付を指定して、購入します。
これには番号がついていませんので、当日午後1時から受付で整理番号の書かれた札を貰います。
3番目が当日券です。受付で購入すると、一緒に整理券の札をくれます。
3種類の整理番号は別々につけられます。
夕方6時半になると客が集まってきます。
テントのほうの準備がすむと、若手の劇団員が客を整列させます。
電話予約の客、前売券の客、当日券の客のそれぞれの整理番号順による3つの列ができます。
靴をいれるふくろを渡されます。
そして電話予約の客と前売券の客との列が同時に並んで、劇団員にゆっくり先導されてテントにはいります。
このときまんなかあたりに招待客が座っています。
たいてい真ん中に花道が作ってありますが、前の人についてその花道をすすんでしまうと、前の方のよい席はとれません。列がつかえて前にすすまなくなってしまうのです。
すぐ靴をぬぎ招待客を迂回して前の方に進みましょう。
招待客の前あたり(前から3, 4列目あたり)が、視覚的にも一番よい舞台がみられますし、
また安心して(笑)舞台に集中できる場所だとも言えます。
また危険なこともあるので小学生など小さいひとは後ろの列にうつらされるでしょう。
ただミーハーなぼくの場合はなるべく前で観るのが好きなので、一番前に座りました。
よごれてもいい格好で出かけていますので。
電話予約・前売の人がすべて入場した後、当日券の人の入場の番がまわって来ます。
席の選び方ですが、前で観る場合は「危険物」に注意しましょう。
今回ぼくは舞台に向かって、花道の左側に座りましたが、右側の客がかなりダメージを受けました。
座席を占めてからひょいと上を見上げると、舞台左手から中央に向けて、樋が設置されていました。
芝居の中で樋から落ちて来たは水やビー玉などでしたが、そのあたりの方はしっかり座蒲団で防御しておられました。
休憩中もビー玉で楽しそうに遊んでおられました。
痛い思いをされた方はおみやげにひとつぐらい持って帰ってもかまわないんじゃないでしょうか。
ぼくが一番危険を感じたのは「紅しょうが」でした。なにしろ色付ですので。
結局泥水程度の被害とも言えない被害ですみました。
危険物以外で重要なのは、なるべく花道に近いところに座るということでしょう。
多くの場合、ラストで舞台の背景が取り除かれ、テントが開けられ、
芝居が外に広がっていきます。
ところが、このとき、舞台に大きなじゃまものがあることが多いのです。ちょうど
この障害物の前方に座っていると、なにをやっているのか全然見えなくなってしまいます。
これらが舞台中央におかれることはありませんので、花道の近くにいれば、大事な部分を見逃すことはないでしょう。
まぁ、一番大事なのは、「当日券で観ない」ということでしょう。
はじめて状況劇場の芝居をみたのは「ベンガルの虎」の楽日でした。
システムをよく知らなかったので当日券で観ました。
当日券の中ではけっこう前のほうの番号でしたが、
ものすごく沢山の人が前売の列ではいってしまったあとの入場になりとっても悲しい思いをしました(ちょっと大げさ?)。
前売券で、よい整理券番号をもらうには、やはり開場直前にきたのではだめで、
一度昼間の内に整理券をとりにきておきましょう。
花園神社だと12時すぎに並びはじめる人がいるようです。
5/22の鬼子母神ではもう少し遅くて12時40分ぐらいだったようです。
1時の整理券発行開始の時点で並んでいる人はごくわずかでした。
ゆっくり来ても大丈夫ですね。
状況劇場がもっとも人気があった頃には、かなり多くの人が朝早くから並んだものです。
ちょっと異常でした。
まあ、そうしたのはぼくたちなんですが(^^;。
でも皆ファンばかりが並んでいるわけですので、おしゃべりも楽しかったです。
並んでいて知り合った人の中からふたり状況の研究生になってしまいました。
日本女子大の学生だった下野さんも、別の劇団で芝居をやっていた遠藤くんも、
どちらも状況の舞台をふむことができました。でもその後どうしたでしょうね。
そのほか西武線沿線に住んでいて、遊びにいったら出前の天丼をごちそうしてくれた方(お名前忘却)、
有楽町駅近くで電波新聞か電気新聞か、そんな関係の仕事をしておられた越智さんもどうしておられるでしょうか。
[このどちらかの方に連れられて「海の牙」の初日公演のあとだったか、
斎藤偕子さんといっしょに喫茶店にいき、感想を訊かれたりしました。
このとき斎藤さんはほんとにかわいらしくて、とても大学の先生には見えませんでした。
ぼくはこの時アイスコーヒーを頼んだのですが、
シロップが別の大きな容器にはいって出されて、
無知なぼくは、はじめてそのようなものを見て、
おそらくこれは甘くするためのものだろうとは予想がついたのですが、
どれくらい入れればよいのか見当がつかず、他の人にきくのも恥ずかしいので、
そういうものは入れないことにしているような振りをして、苦いまま飲みました。
]
一番(ぼくと同じくらい)ミーハーだったのが、日本女子大のグループのひとりの柴田さんでした。
とっても綺麗な人で、ずいぶんストーク(^^;)したものですが実らず、
のち結婚して小幡さんとなってしまいました(涙)。
それから、学校をさぼって並びにきている新宿高校(?)の小島さんもなつかしい。
ぼくの頭には「学校をサボる」という概念がありませんでしたので、
小島さんにはびっくりしてしまいました。
秋吉久美子の付き人をやったことがあるとかいっていました。
それから上に名前を出した遠藤くんのガール・フレンドだった京都美人の外川さんには、京都の安い宿を教えてもらいました。
外川さんは芝居をやるかたわらあるお店でアルバイトをやっていましたが、
そこのお客さんの子供の家庭教師のアルバイトも紹介してもらいました。
そのお客さん(Mさん)は彼女にずいぶん熱をあげていたようで、
店が終わったあと他の男ともうひとりの店の女の子との計4人でホテルにいき、
お風呂にはいっているところを覗こうとしたり、いろいろ悪ふざけをしようとしたそうで、
外川さんは、それらをどのようにかわしたかなどという面白い話をしてくれました。
いろんな人がいたけど、みんなどうしてるんだろう。
ぼくは1979年夏からアメリカに引っ越してしまい、状況の芝居を観るチャンスもなくなり、連絡もとれなくなってしまいました……。
唐組の芝居をみにいくと、誰か知った顔がないか見回しますが、きっと変わってしまっていてわからないでしょうね。
そういえば、5/22には大久保鷹さんが来ていました。なつかしい…。
今回の「眠り草」ですが、
昨年の3人の社長の自殺事件を元にしているということはいやでも、
あらかじめ目に入ってしまっていたので、その分少し損をしたような気もします。
芝居や映画って何の知識もなくみたほうが、より楽しめると思います。
それでも、第1幕ラスト近くでの現場の再現シーンはスリリングでとてもよかった。
3人が椅子の上にたって並ぶところは美しい!
唐の「あっ!」のセリフも思わせぶりでうまい。
後半融通手形が出て来るあたりが、経済関係に全く無知なぼくには少しベールがかかってしまい、
どうしてそれがそんなに大事なものなのか、ピンときませんでした。
だって「たかが金のこと」でしょ?
う〜ん、でもその「たかが金のこと」で3人死んだ訳だしなぁ。
車のテール・ランプが出て来る場面はどれも面白かったように思います。
「丘」が手をなめるシーンもよかった。
見掛けによらない大胆な演技ですね。
それから、何度か突然現れて来る「やっとこやっとこ」の連中も楽しい。
(この時の音楽もいい!)
舞台がずいぶん盛り上がります。
とても楽しめました。
終演後、受付で唐の「秘密の花園」の単行本を購入して帰りました。
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