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平面曲線


曲線の表示1:方程式
○関数のグラフ: y = f(x) とか x=g(y) のような形の方程式で表されるもの。
○一般の方程式: 項をすべて左辺に移せば F(x,y)=0 の形で表される(陰関数表示)。

例えば x2+y2-1 = 0 という曲線の場合は、曲線上の 任意の点 (a,b) において、そのまわりでは関数のグラフになっている。 例えば 点 (0,1) のまわりでは、y=√(1-x2) のように書けるし、 点 (1,0) のまわりでは、x=√(1-y2) のように書ける。 このように隠れて存在している関数のことを陰関数とよぶ。
一般の方程式 F(x,y) = 0 の各点 (a,b) のまわりで、陰関数が得られるとは 限らないが、次のような十分条件が知られている:
陰関数定理:F(x,y) は微分可能とする。
  1. Fy(a,b)≠0 ならば、(a,b)のまわりで、yはxの関数になっている。
  2. Fx(a,b)≠0 ならば、(a,b)のまわりで、xはyの関数になっている。

Fy(a,b)= Fx(a,b)=0 の場合は、何も結論できない。 このようなとき、(a,b) は曲線 F(x,y)=0 の特異点と呼ばれる。

曲線の表示2:パラメータ表示
直線の時と同様に、曲線もパラメータ(=媒介変数、助変数)表示により 表される場合がある:x=x(t), y=y(t) またはまとめて (x,y)=(x(t), y(t))。 または、ベクトル関数として p(t) =(x(t), y(t)) のようにも書かれる。

※ 授業ではベクトルは上に→をつけて表しているが、ここではその表示ができないので 太文字で表している。

例: p(t) =(cos t, sin t) ただし 0≦t≦2π:単位円周
例: p(t) =(cosh t, sinh t) :双曲線(の一部)


○パラメータ表示→方程式:
x=x(t) と y=y(t) から t を消去する。

○方程式→パラメータ表示:
(1) y=f(x) の形ならば x=t, y=f(t) とする。
(2) x=g(y) の形ならば x=g(t), y=t とする。
(3) A2 + B2 = 1 の形ならば、A=cos t, B=sin t などを試してみる。(次回詳しくやります)
(4) A2 - B2 = 1 の形ならば、A=cosh t, B=sinh t などを試してみる。(次回詳しくやります)

速度ベクトル・曲線の長さ
p(t) =(x(t), y(t)) で与えられた曲線は平面上の点の運動を表しているものと考えられます。
t に関する微分 p(t) =(x(t), y(t)) は 時刻 t における「速度ベクトル」と解釈出来ます。 (講義では微分を表すドットは真上に書きましたが、 ここでは無理なので、斜め上にドットを書くことにします)。 速度ベクトルの大きさ |p(t)| =√(x(t)2+ y(t)2) は「速さ」(非負な実数)を表します。 「速度」と「速さ」は区別して用いるので、注意しましょう。

(微分可能な)曲線 p(t) =(x(t), y(t)) (a≦t≦b) の長さは

   ∫ab|p(t)| dt

で与えられます。


演習

○ cosh, sinh に関する各種公式の証明

○ プリント 2(4)

宿題:プリント8番





グラフ描画ソフト

曲線や曲面を描くのに、便利なソフトがいくつかあるので紹介します。
Maxima
微積分の計算やグラフの描画にとても便利です。
Maxima - PukiWiki に色んな情報があるのでたどってみて下さい。 具体的には、次のことを実行して下さい。
  1. http://maxima.sourceforge.net/から Windows用のファイルをダウンロードし、そのファイルをダブルクリックしてインストールします。
  2. インストールしたフォルダ(普通なら C:\Program Files\Maxima-5.X.X)の中の binフォルダに wgnuplot.exe というファイルもあるので、そのショートカットをデスクトップに 作成します(Gnuplotというグラフ表示ソフトです)。
  3. リンク集で紹介されている中川さんの「Maxima 入門ノート」(maxima.pdf) をダウンロードして、適当なフォルダに保存して、いつでも読めるようにします。
あとは入門ノートを読んで、色々試して下さい。 なお、Gnuplot を初めて起動すると、字がつぶれて読めませんので、左上スミの 小さいアイコンを左クリックして、「Options」→「Choose Font」でフォントサイズが 9になっているのを10程度に増やして、読めるようにします。 例えば Akira Nishimura さんの Windows版 Gnuplot の使い方を見れば、丁寧な説明があります。

Risa/Asir
陰関数表示された曲線を描画するのに最適です。
  1. Risa/Asir(神戸版)ダウンロードページから日本語版の asirwin-ja.exe をダウンロードし、実行します。
  2. asir というフォルダができるので、それを C:\Program Files に移します。
  3. そのフォルダの中に asirgui.exe というファイルがあるので、そのショートカットを デスクトップに作成します。
  4. そのアイコンをダブルクリックして、起動します。
  5. 例えば x3+xy2-2y2=0 を描画したければ
      ifplot(x^3+x*y^2-2*y^2);
    と入力します。


大学のパソコンなど、勝手にソフトをインストール出来ない機械で、 Netにつながっていて、CD−Rの読めるものならば、 Knoppix/MathのCDでパソコンを 起動することにより上記のソフトが使えるようになるかもしれません。 詳しくは KNOPPIX/Math - PukiWiki を参照して下さい。