「X と d の対」というのがピンと来なかった方が多かったようです。
これは次のように考えてください:ふたつの距離空間 (X,d), (Y, d')が「等しい」とは
どういうことでしょうか。「(-, -)」は順序対でしたから、
さて、集合として R2 を考え、その上に次の4つの距離関数を考えましょう (授業の時と記号が違いますが気にしないでください)。
[問] さて、4つの異なる距離空間 (R2, d), (R2, d'), (R2, d"), (R2, dD) の3点 a=(0, 0), b=(4,2), c=(4,4) を考えます。 以下の小問を、おのおのの距離空間について解きなさい。
図に描こうとすると、却ってわからなくなるかもしれません。x, y, z の3点を 含む平面を考え、その平面の上で考えるとよいと思います。
距離空間とは、任意の2点の間に「距離」が決まっているもののことです。 2点x, yに対してその距離をd(x,y)と書くことにすると、d は2変数の関数ということになります。 上の記号は、単にそれを「記号」で表現しているだけのことです。 「記号」は便利なので早く慣れましょう。
そうです! 直積はとても重要な概念です。ちゃんと復習したでしょうか。
ウィキペディアの「直積集合」の項目には色々難しいことも載っていますが、一番上の方に書いてあることがわかれば それで十分です。
n は不等式 (a1b1+ …… + anbn)2 ≦ (a12+ …… + an2) (b12+ …… + bn2) (ただし ai, bj はみな実数)の各カッコ内の項の数です。 n が 2 とすると、 この不等式は (a1b1+ a2b2)2 ≦ (a12+ a22) (b12+ b22) となります。 ついでに n=1 の場合は (a1b1)2 ≦ (a12) (b12) となりますが、これは明らかに=が成り立ちますね。
R と距離関数 d(x,y)=|x-y| の対のことを「ユークリッド直線」といいます。 同じ集合 R でも、別の距離関数、例えば d'(x,y)=|x-y|/(1+|x-y|) をついにして 得られる距離空間はユークリッド直線とはいいません。
R2でも、上の問の (R2,d) が ユークリッド平面といわれる距離空間です。 (R2,d') や (R2,d") はユークリッド平面ではありません。
古代ギリシャの数学者の名前です。
ウィキペディアの「エウクレイデス」の項目を読んでみてください。
「距離」は日常用語と同じで、二つの点の離れぐあいを表す「数」です。 この数は、考えている2点が変わると変わるので、その2点を変数と思うと 「関数」になります。これが「距離関数」です。 集合にその上の距離関数というある種の構造を組み込んだものが「(距離)空間」です。
一般に「集合」に何らかの「構造」を組み込んだものを「空間」と呼びます。 例えばR2にある条件をみたす「和」や「スカラー倍」の演算を 組み込むと「線形空間」と呼ばれるものになります。
点xから点yまでの距離を測るのと、点yから点xまでの距離を測るのでは、 同じ結果になって欲しい、という要求だと思ってください。
上の問は図が出てきますから、楽しんでください。 9/29の授業では色々図が出てきます。 ただ、図は理解を助けることもありますし、 逆に判断を間違わせることもあるので、注意して用いましょう。
まず、Rのときですが、2点 x, y を与えるとその距離は d(x,y)=|x-y| なので、d は2つの実変数の関数になります。
R2のとき、2点 x=(x1,x2), y=(y1,y2) の距離 d(x,y)=d((x1,x2), (y1,y2) ) = d(x1,x2, y1, y2) は ((x1-y1)2 + (x2-y2)2)1/2 で、 d は4つの実変数の関数となります。