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命題と論理(続き)・集合


命題と論理(続き)

前回、命題に関する基本演算 ∨∧¬ および それらを組み合わせて得られる演算 ⇒⇔ について学びました。
また、命題 P, Q, …… について
    (P, Q, …… の式A)⇔ (P, Q, …… の式B)
がP, Q, …… の真理値によらず必ずTであることを
    (P, Q, …… の式A)≡ (P, Q, …… の式B)
と書き、式Aと式Bの表す命題は同値であるということも習いました。 例えば、次のような公式が成立します:
  1. P∨Q≡Q∨P, P∧Q≡Q∧P
  2. (P⇒Q)≡((¬P)∨Q)
  3. ¬(P∨Q)≡(¬P)∧(¬Q)
  4. ¬(P∧Q)≡(¬P)∨(¬Q)
  5. ¬(¬P)≡P
  6. ¬(P⇒Q)≡(P∧(¬Q))
  7. (¬Q⇒¬P)≡(P⇒Q)
  8. P∨(Q∧R)≡(P∨Q)∧(P∨R)
  9. P∧(Q∨R)≡(P∧Q)∨(P∧R)
これらは演習で証明しました。証明は真理表を作ることによって行いました。 すでに習った公式を使って、より簡単に証明することも可能です。 例えば、上の6は、
    ¬(P⇒Q)≡¬((¬P)∨Q)≡¬(¬P)∧(¬Q)≡P∧(¬Q)
のように考えることも出来ます。色々工夫してみましょう。

今回はさらに限定命題について勉強します。以下をチェックして下さい。
  1. 限定命題にはどのようなものがあるか。
  2. 命題の否定を、よりわかりやすい同値な命題に変形できるか。
∀x(P(x))型の限定命題
ほとんどの場合、∀x(A(x)⇒B(x))のような形で使われます。

例:∀n(nが自然数である⇒n(n+1)は偶数である)
これを普通のことばで表現するとき
  任意のnに対し、nが自然数であるならばn(n+1)は偶数である。
のように書くと、どこで切れているのかわかりにくいですし、不自然ですので、
  任意の自然数nに対し、n(n+1)は偶数である。
とか、いっそのこと「任意のnに対し」を省略して、
  nが自然数であるならばn(n+1)は偶数である。
のように書く方がわかりやすくなります。

∃x(P(x))型の限定命題
ほとんどの場合、∃x(A(x)∧B(x))のような形で使われます。

例:∃n(nは自然数である∧n2+n−6=0)
これを普通のことばで表現するとき
  nが自然数であり、かつn2+n−6=0が成りたつようなnが存在する。
のように書くと、やはりわかりにくく、不自然ですので、
  自然数であり、かつ、n2+n−6=0をみたすようなnが存在する。
とか、さらには、
  n2+n−6=0をみたすような自然数nが存在する。
のように表現するとよいでしょう。


集合

  1. 集合とは? 要素とは?
  2. 集合の表現の仕方にはどんなものがあるか。
  3. 「x∈A」とはどういうことを表しているか。
  4. 「A⊂B」とはどういうことを表しているか。
    そのような関係を証明するのには一般にどのような議論を行えばよいか。
  5. 「A=B」とはどういうことを表しているか。
  6. 「A∪B」とはどういうものを表しているか。
  7. 「A∩B」とはどういうものを表しているか。
  8. 空集合とはどのような集合か。どのような記号で表されるか。
  9. 「Ac」とはどういう集合か。
6番以降は次回学びます。


演習

プリントはAの1,2をやりました。

注意:命題関数「x2>1」の否定は「x2≦1」ではないので、 気をつけて下さい。 たとえば x=1+i とすると、x2 は虚数(2i)ですので、1との大小比較はできません。 したがって、¬(x2>1) は真(T)ですが、 (x2≦1) は偽(F)です。
もちろん、不等式を考えているという時点で、暗黙に「xは実数である」と仮定していると 考えれば、そのような問題はなくなります。