[目次]
数列の収束
■数列の収束
数列{an}が実数 a に収束するとは、次のいずれか(実はすべて同値)が なりたつことをいいます。その時々で、一番都合のよいものを使って下さい。
- 任意のε>0 に対し、「(n∈Nかつn≧n0)⇒ |an-a|<ε」 がなりたつような自然数 n0が存在する。
- 任意のε>0 に対し、「(n∈Nかつn>n0)⇒ |an-a|<ε」 がなりたつような自然数 n0が存在する。
- 任意の自然数Nに対し、「(n∈Nかつn≧n0)⇒ |an-a|<1/N」 がなりたつような自然数 n0が存在する。
- 任意の自然数Nに対し、「(n∈Nかつn>n0)⇒ |an-a|<1/N」 がなりたつような自然数 n0が存在する。
具体例: an=(1/2)n で与えられる数列は 0 に収束する。
証明:ε>0 を任意にとる。
(ここは答案の一部ではありません。)
考え方:
不等式 |an−0|<εを解いてみます。
|(1/2)n|<ε
log2 (1/2)n < log2 ε
-n < log2 ε
n > - log2 ε
- log2 ε より大きい自然数 n0 をとる。 Nは上に有界でないから、そのようなn0 は必ず存在する。
n≧n0とすると、
n > - log2 ε
∴ -n < log2 ε
∴ log2 (1/2)n < log2 ε
∴ |(1/2)n - 0|<ε
よって (1/2)n は 0 に収束する。(証明終わり)
講義では、「はさみうちの原理」、数列の和や積などについても話をしました。
演習
- プリント#2の2、3、7がすみました。
2に追加して、
2’:1/√(n) → 0 の証明
2”:n/(1+n) → 1 の証明
を出題しました。