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■集合の濃度
要素の数が有限個の集合を有限集合、そうでない集合を無限集合といいます。
たとえば、N や R は無限集合です。
有限集合では、要素の個数は集合の区別をするのに役立ちますが、
無限集合では役に立ちません。
そこで、「個数」のかわりに「濃度」というものを用います。
集合Aの濃度は|A|という記号で表します。ただし、
濃度 |A| の定義は最終回まで、おあずけにします。
今回は、二つの集合の濃度の間の大小関係についてのみ説明します。
- |A| = |B| ⇔ ∃f:A → B s.t. f は全単射
- |A| ≦ |B| ⇔ ∃f:A → B s.t. f は単射
- |A| < |B| ⇔ |A| ≦ |B| だが |A| = |B|ではない
自然数全体の集合 Nの濃度 |N| を
0と書きます。
また、実数全体の集合 Rの濃度 |R| を
と書きます。
ここで出てきた不思議な文字はヘブライ文字のアレフです。
「アレフ」については、星野敏司さんの解説ページ
http://www.nn.iij4u.or.jp/~hsat/techterm/aleph.html
に筆順なども含んだ詳しい解説があるので、ぜひ読んでみてください。
さらに他のヘブライ文字に興味がある人は、
http://arabic.gooside.com/hebrew/kaki/kata.html
がいいかもしれません。
次の事実は重要です:
- 0<
- (ベルンシュタインの定理) |A|≦|B| かつ |B|≦|A| ならば|A|=|B|
1は次回証明します。2は興味のある方のみ、教科書で勉強してください。
演習
- プリント#3 の1(1), 2(3), 7, 8を解きました。