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距離空間の定義と例
■距離関数
n は自然数とし、集合 X=Rn= { x=(x1,x2,……,xn) | xi∈R } を考えます。 X の上の距離関数は無数にあります。ここではそのうちの4つを取り上げてみます。
- 前回の課題で定義した距離関数を dD と書くことにします。 これは「離散距離関数」と呼ばれます。Dという添え字は「離散的な」という意味の英語 discrete の頭文字です。
dD (x,y) = 1 (x≠yのとき)
dD (x,y) = 0 (x=yのとき)
- d1(n)(x, y)=|x1 - y1| + |x2 - y2| + …… + |xn - yn|
- d(n)(x, y)=√{ (x1 - y1)2 + (x2 - y2)2 + …… + (xn - yn)2}
- d0(n)(x, y)=max{ |x1 - y1| , |x2 - y2| , …… , |xn - yn| }
これらはどれもRnの上の距離関数です。各自、確かめてみましょう。 一部はレポート課題にします。
具体的な計算をしてみましょう。 R2 の2点 x=(1,2), y=(3,1) に対して、
dD (x,y) =1, d1(2)(x, y)=3, d(2)(x, y)=√{5}, d0(2)(x, y)=2
となります。
■課題 (次回、レポート提出)
- d(1) が条件D3をみたすことを証明しなさい。
- d(2) が条件D3をみたすことを証明しなさい。
- ■自由課題
- 講義において、次のような関係があることを述べました:
d1(n)(x, y) ≧ d(n)(x, y) ≧ d0(n)(x, y)
他にどんな関係があるでしょう。