[目次]

命題と論理(続き)

  1. 前回の「∨∧¬⇒」に続けて、「⇔」という演算を導入しました。
  2. P, Q, …に関する2つの式 f(P, Q, …)、g(P, Q, …) に対し、 f(P, Q, …)⇔g(P, Q, …)が恒真命題である(すなわちP, Q, …の真偽に関わらず 真になる)とき、f(P, Q, …)、g(P, Q, …) は同値であるといい、 f(P, Q, …) ≡ g(P, Q, …) と書きます。
  3. 限定命題について学びました。

限定命題

「x は偶数である」のように変数xに具体的なものが代入されれば命題になるものを 命題関数といい、P(x)のように表します。

次の2種類を「限定命題」と呼びます。

それぞれの否定は次で与えられます:
∀x(P(x))型の限定命題
ほとんどの場合、∀x(A(x)⇒B(x))のような形で使われます。

例:∀n(nが自然数である⇒n(n+1)は偶数である)
これを普通のことばで表現するとき
  任意のnに対し、nが自然数であるならばn(n+1)は偶数である。
のように書くと、どこで切れているのかわかりにくいですし、不自然ですので、
  任意の自然数nに対し、n(n+1)は偶数である。
とか、いっそのこと「任意のnに対し」を省略して、
  nが自然数であるならばn(n+1)は偶数である。
のように書く方がわかりやすくなります。

∃x(P(x))型の限定命題
ほとんどの場合、∃x(A(x)∧B(x))のような形で使われます。

例:∃n(nは自然数である∧n2+n−6=0)
これを普通のことばで表現するとき
  nが自然数であり、かつn2+n−6=0が成りたつようなnが存在する。
のように書くと、やはりわかりにくく、不自然ですので、
  自然数であり、かつ、n2+n−6=0をみたすようなnが存在する。
とか、さらには、
  n2+n−6=0をみたすような自然数nが存在する。
のように表現するとよいでしょう。



演習