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距離空間の例(1)
今週と来週で色々な距離空間の具体例を調べてみます。
- X = R, d(x,y) = |x-y| (普通の距離、またはユークリッドの距離)
これはRを「数直線」と考えています。最もなじみのある距離空間でしょう。
- X が R の部分集合であるならば、上と同じ式 d(x,y)=|x-y| で距離関数を 定めて、距離空間と考えることができます。
例えば、X={1, 2, 3}で d(x,y)=|x-y| とすることによりひとつの距離空間ができます。
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- 上と同じ X ={1, 2, 3}において、距離関数 d を
d(x,y) = 1 (x≠yのとき)
d(x,y) = 0 (x=yのとき)
と定めます。これは上とは異なる距離空間になります。
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- どんな集合 X でも、距離関数 d を
d(x,y) = 1 (x≠yのとき)
d(x,y) = 0 (x=yのとき)
と定めることによって距離空間を作ることができます。 このようにして定まるものを「離散距離空間」といいます。
- X=R2=R×R の2点 x=(x1, x2), y=(y1, y2) に対し、その距離を
d(x,y)=√{(x1-y1)2 + (x2-y2)2}
と定めることができます。これはすでにおなじみの距離ですので、 普通の距離とかユークリッドの距離といいます。 (X,d) をユークリッド平面といいます。