これは明朝体で書かれています。 {\gt 今度はゴシック体です。}また明朝体に戻りました。 \gt またゴシックに \mc なったと思ったら明朝に戻りました。 \bye |
注意するのは入力ファイル内の { }です。 かっこが出力されていないことに注意して下さい。 TeX ではこの { } は「グループ」をつくることに使われます。 例の最初の \gt のようにひとつのグループの中で使われたコマンドは 一般的にそのグループの中だけで有効になります。 何か操作を行なうときは、グループを作ってその中だけで臨時に行なうのが 安全です。 もちろん、2番目の \gt のように用いて、あとから \mc コマンドで明朝に戻すのでもかまいませんが……。
グループを閉じ忘れると tex にかけるときとんでもないエラーが出て来たりします。 よくやることなので気をつけましょう。 また、グループは何重にも入れ子にできます。
欧文フォントは日本語フォントと独立に設定できます。 標準でローマン体が使われます。 以下が、すぐに使えるフォントと対応するコマンドのリストです。
ローマン | \rm |
ボールドフェイス | \bf |
イタリック | \it |
スラント | \sl |
タイプライタータイプ | \tt |
\gt{\bf boldface} や {\it italic} や {\sl slanted} や {\tt typewriter}など が使えます。普通は {\rm roman} です。 \bye |
欧文フォントは標準では10ポイントのものが使われます。 小さいサイズ(7ポイント・5ポイント)のローマンやボールドフェイスは \sevenrm, \fiverm, \sevenbf, \fivebf などを 用いて使うことができます。
tex003c.tex(S-JIS) -- tex003c.dvi
{\fiverm five point roman}, {\sevenrm seven point roman}, ten point roman {\fivebf five point boldface}, {\sevenbf seven point boldface}, {\bf ten point boldface} \bye |
\fiverm, \sevenrm, \tenrm(\rm) を指定すると 実際には cmr5, cmr7, cmr10 のフォントが使われます。 他にも cmr6, cmr8, cmr9, cmr12, cmr17 のようなフォントが用意されていますが、これらを使用するには、 あらかじめ自分でそのためのコマンドを用意する必要があります:
tex003d.tex(S-JIS) -- tex003d.dvi
\font\eightrm=cmr8 \font\twelverm=cmr12 \font\seventeenrm=cmr17 {\eightrm eight point roman} {\twelverm twelve point roman} {\seventeenrm seventeen point roman} \bye |
どのような名前のフォントがあるのかは A Gentle Introduction to TeXのp.18の表を 見て下さい。
文書すべてを標準より拡大された文字で出力することもできます。 入力ファイルの先頭で\magnification(拡大率)を指定します。 1000が標準で、1.2倍なら1200で指定します。
tex003e.tex(S-JIS) -- tex003e.dvi
\magnification=1440 \hsize=16truecm \vsize=24.5truecm \noindent これは拡大率を1440(つまり1.44倍)にした文書です。 A4に印刷できるように {\tt hsize} と {\tt vsize} を単位 {truecm} で 指定しています。 \bye |
特別な拡大率はコントロール・シークエンスを用いて表現できます: 1000のかわりに\magstep0、 1095のかわりに\magstephalf、 1200のかわりに\magstep1、 1440のかわりに\magstep2、 1728のかわりに\magstep3、 2074のかわりに\magstep4、 2488のかわりに\magstep5。 (これらの数値の意味はわかりますか?)
拡大は文書全体でなく、ひとつひとつのフォントにも適用可能です。
tex003f.tex(S-JIS) -- tex003f.dvi
\font\bmc=min10 scaled \magstephalf \font\Bmc=goth10 scaled 4000 \font\bbf=cmbx10 scaled \magstep2 これは{\bmc ちょっと大きい明朝}と{\bbf pretty large boldface font}と {\Bmc すっごく大きいゴシック} の使用例です。 \bye |
日常的によく使うフォントは自分専用のマクロファイルの中に 例えば次のように定義しておくと便利です:
fontdef.tex
\font \sssmc=min7 \font \ssmc=min8 \font \smc=min9 \font \bmc=min10 scaled \magstephalf \font \bbmc=min10 scaled \magstep1 \font \bbbmc=min10 scaled \magstep2 \font \bbbbmc=min10 scaled \magstep3 \font \bbbbbmc=min10 scaled \magstep4 \font \sssgt=goth7 \font \ssgt=goth8 \font \sgt=goth9 \font \bgt=goth10 scaled \magstephalf \font \bbgt=goth10 scaled \magstep1 \font \bbbgt=goth10 scaled \magstep2 \font \bbbbgt=goth10 scaled \magstep3 \font \bbbbbgt=goth10 scaled \magstep4 \font \sssrm=cmr7 \font \ssrm=cmr8 \font \srm=cmr9 \font \brm=cmr10 scaled \magstephalf \font \bbrm=cmr10 scaled \magstep1 \font \bbbrm=cmr10 scaled \magstep2 \font \bbbbrm=cmr10 scaled \magstep3 \font \bbbbbrm=cmr10 scaled \magstep4 \font \sssbf=cmbx7 \font \ssbf=cmbx8 \font \sbf=cmbx9 \font \bbf=cmbx10 scaled \magstephalf \font \bbbf=cmbx10 scaled \magstep1 \font \bbbbf=cmbx10 scaled \magstep2 \font \bbbbbf=cmbx10 scaled \magstep3 \font \bbbbbbf=cmbx10 scaled \magstep4 \font \sstt=cmtt8 \font \stt=cmtt9 \font \btt=cmtt10 scaled \magstephalf \font \bbtt=cmtt10 scaled \magstep1 \font \bbbtt=cmtt10 scaled \magstep2 \font \bbbbtt=cmtt10 scaled \magstep3 \font \bbbbbtt=cmtt10 scaled \magstep4 \def\RR{{\bf R}} \def\QQ{{\bf Q}} \def\CC{{\bf C}} \def\calA{{\cal A}} \def\calB{{\cal B}} \def\calC{{\cal C}} \def\calD{{\cal D}} \def\calE{{\cal E}} \def\calF{{\cal F}} \def\calG{{\cal G}} \def\calH{{\cal H}} \def\calI{{\cal I}} \def\calJ{{\cal J}} \def\calK{{\cal K}} \def\calL{{\cal L}} \def\calM{{\cal M}} \def\calN{{\cal N}} \def\calO{{\cal O}} \def\calP{{\cal P}} \def\calQ{{\cal Q}} \def\calR{{\cal R}} \def\calS{{\cal S}} \def\calT{{\cal T}} \def\calU{{\cal U}} \def\calV{{\cal V}} \def\calW{{\cal W}} \def\calX{{\cal X}} \def\calY{{\cal Y}} \def\calZ{{\cal Z}} \endinput |