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2003年
- 連弾
(2003/1, ビデオ録画):竹中直人の監督・主演作です。
割と地味な役柄を演じているので、見ていていつもほど疲れませんでした。
天海祐希演ずる妻が不倫したために壊れてしまう家庭をユーモアを交えて描いています。
天海祐希のすっ飛んだキャラクターはとても面白かったです。
じめじめしていないところがいいですね。
でもなにより、二人の子どもである姉弟がとてもいい雰囲気で、
思わずほろりとさせる場面もあり、
この映画を馬鹿馬鹿しいものにしないで引き締めてくれます。
何気なく録画しましたが拾いものでした。
- ブレイブハート
(2003/1, ビデオ録画):
ずっと前に録画していた物をようやく見ました。どこでロケをしたのか知りませんが、
スコットランドの雰囲気がよく出ていて楽しめました。
イングランドとスコットランドの関係の複雑さがなんとなくわかりました。
どのくらい史実に基づいているのでしょうか……。
- 西洋鏡/映画の夜明け
(2003/1/20, 有楽町スバル座):
東京国際映画祭の時に見ていますが、
夏雨君のファンとしては劇場公開を見逃すわけにはいきません。
はるばる有楽町まで行って来ました。月曜日の第一回目ということで、
観客は少なかったし、ぼくもふくめて中高年ばかりでした。
中国映画の固定ファンかもしれません。
地味だけど、とっても心温まるいい映画なので多くの人に見てほしいです。
20世紀のはじめ、中国にはじめて映画が登場する様子を描いています。
もちろんその頃ですから白黒で音はなし!だけど、映画の中で
サイレントのはずの映画が突然トーキーになって登場人物が漫才をはじめるのには
ちょっとびっくり……。
ちょっと気になるところもいくつかあります。
- 冒頭で古い記録フィルムが映されるところから、あたらしく撮ったフィルムに
切り替わるところの質の差がありすぎると思いました。
最近の技術ならもっと古い感じにできるんじゃないかな……。
- 上映中に映写機が不具合を起こし、
それを夏雨くんが機転で救うところがあるのですが、
いくらなんでもそれは無理じゃないかな、という解決法なのも気になりました。
- 最初シア・ユイが登場するときに蓄音機が出てきますが、
20世紀初頭にしてはずいぶん進んだ製品のようで、長時間録音のレコードを
再生していて、首をかしげてしまいました。そもそもあの蓄音機は誰がなんのために
買ったのか不明で、店の子どもがそれの存在を知らなかったというのも腑に落ちません。
- 貧しい主人公がなぜ英語をしゃべれるのか、どういう育ち方をしたのか、
よくわからないので、彼のことがなんとなくはっきり理解できなかったです。
- 猟奇的な彼女
(2003/1/25, シネマスクエアとうきゅう):
2001韓国映画プロジェクトIIで観て、
DVDでも何回も観て、今一番好きな映画がついに日本で一般公開されました。
初日第一回は主演ふたりの舞台挨拶つきでしたので、超満員。
なんとか席は確保しましたが後ろの方で、
残念ながら二人の姿は遙か彼方。こんな感じでした(下左):
チャ・テヒョンのファンクラブの女性たちの勢いがすごかったです。垂れ幕とか
小旗まで用意しておられたので、旗だけ撮影させてもらいました(上右)。
ファンクラブのHPはこちらです:
http://www6.airnet.ne.jp/ma_hwa/10_7/taehyun/tae_in.html
会場ではもちろんパンフレット、サントラCD、原作本は購入しましたし、
映画の中でそのパロディが使われている「夕立」(にわか雨)を収録した童話集
愛の韓国童話集まで購入してしまいました。
大ヒットして、どんどん上映館が拡大していくといいな……。
- サイン
(2003/3, レンタルDVD):
『シックス・センス』とどうしても比較してしまうのですが、
これはこれでハラハラ・ドキドキする面白い映画でした。
地下室のシーンでは思わず叫び声を上げてしまい、家族に笑われました。
映画館じゃなくてよかった……。
- kissing ジェシカ
(2003/3/19, テアトルタイムズスクエア):
本来ストレートの独身女性ジェシカがバイセクシャルの女性に恋をしてしまう映画。
相手の女性がとてもチャーミングでうっとりしてしまいました。
ふたりの関係がなかなか進まないようすがコミカルに描かれている前半も面白いし、
恋人同士になってそれを他の人に隠そうとして起こるドタバタも面白い。
だけど、実はこの映画はジェシカの成長の物語なんです。
ジェシカと彼女の母親が家の外に並んで座り、母親がジェシカの子どもの頃のことを回想し、
「この子は苦しい人生を送ることになるんだと思った」という所は、
母親の辛い気持ちがとてもよく伝わって来ました。
最後、新しい道を見つけひとりで生きていくジェシカの姿に、本来感動するべきなのですが、
残念なことに終わりに近づくに従って映画のパワーが弱まってしまい、
やや退屈になってしまいました。
だけど見所はいっぱいあって、オススメです。
- 小さな中国のお針子
(2003/3/23, Bunkamura ル・シネマ):
昨年観た『那時花開』と同じように、周迅(ジョウ・シュン)が二人の若者(友だち同士)
に愛されるお話。こういう役がぴったりです。映画は風景も美しいし、
非常に幻想的な終わり方もよかったです。
- ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔
(2003/3/24, 新宿東急):
大きい劇場で迫力あるシーンを見ることができて満足しています。
でもそれにしても残酷なシーンが多かった。
- 笑う蛙
(2003/3/26, 新文芸坐):
大塚寧々って、今までどこがいいのかわからなかったのですが、スクリーンで見ると
なかなか色っぽくて可愛いですね。とても面白いコメディでしたし、主役の二人はもちろん、
雪村いづみ、ミッキー・カーチス(『百合祭』と似たキャラ)がとてもおかしい。
お姉さんも綺麗。
もっとエッチな映画だったらオススメ印がついたのですが(笑)。
- OUT
(2003/3/26, 新文芸坐):
登場人物の誰にも感情移入できなくて(しいて言えば倍賞美津子ぐらいかな)、
みていてサスペンスは感じませんでした。原作もこんななのかなぁと思って
本屋でぱらぱらと最後の方を見ると、どうも雰囲気が違う!
原田美枝子の演じた女性はもっともっと覚悟を決めた女性じゃないですか。
オーロラで終わり……というのはあまりにも甘すぎるような気がしました。
- 夢精期 Wet Dreams
(2003/3, DVD):
『グローイング・アップ』とか、日本では『パンツの穴』の類の、
思春期の少年たちを描いたオバカ映画です。主人公の少年はなかなかいいです。
- 奥様は極道 My Wife is a Gangster
(2003/3, DVD):
ある暴力団のナンバー2にのしあがった主人公が、とっても可愛い女の子。
典型的な韓国美人。それがいつも怒ったような顔をしているのが、また可愛い
(メイキングで見る彼女の笑顔も、もちろんいい)。
ただ映画自体はそんなにおかしくないし、彼女の正体を知らずに結婚する真面目な公務員が、
最後になるまでほとんど暴力団の抗争にかかわってこないので、全体がばらばらな
印象を受けました。
- 百年好合 Love for All Seasons
(2003/4, DVD)
- 星に願いを。
(2003/4/15, シネリーブル池袋):ネタバレあり!
あの号泣名作『星願』の日本版リメークです。
前半のかなりの部分が
セシリア・チャン竹内結子の看護婦としての生活の描写に
さかれているし、リッチー・レン吉沢悠が死んだ後、
彼女が精神的なダメージから看護婦を続けられなくなり、そしてまた復活するという部分が
かなり前面に出ていたと思います。これはオリジナルと全くスタンスが違いますね。
緊急治療の風景が3度も出てきましたし……。
あと、『星願』ではリッチーは絶対自分の気持ちをことばで表すことができないのですが、
こちらでは言いたければ言う事ができる(ただし、すぐに消えてしまう)っていうところも、
大きな違いです。だから観ていて、
さっさと言いたいこと言ってしまえばそれで終わりじゃないの?
と感じてしまいました。
だから『星願』で一番盛り上がるあのシーン(^^;
(ほら、リッチーが左手でセシリアの……)がなくなっちゃいました……。残念。
『星願』を観た人には物足りない映画だと思います。
でも、そっちを観てない人にはけっこうおすすめかも。
プールのシーンを橋と川に変えていたり、なかなかがんばっているところもありますから。
流れ星のシーンは圧倒的に『星に〜』のほうが良いです。『星願』のはしょぼかった。
『星願』にもDJが重要な役割で登場しますが、
『星に〜』のDJはそれではなく××の方に対応してるわけですが、
これが軽薄な感じで違和感を覚えました。
- パイナップル・ツアーズ
(2003/4/20, BOX東中野):『ナビィの恋』の中江監督を含む3人の沖縄の監督の、
架空の具良間島(川島雄三監督の「グラマ島の誘惑」をもじった?)を舞台にしたオムニバス喜劇。
沖縄の雰囲気がいっぱいで(行ったことはないのですが…)、なかなか面白かったです。
この映画で閉館となるBOX東中野の代表の方が、この映画のプロデューサーだったのですね……。
- ガラスの部屋
(2003/4/26, ビデオ録画):昔高校生の頃、他の映画を観に行ったとき、
予告篇でみてすっごく刺激度が強く、「あんな風にやるのか……」と強烈に刷り込まれました
(笑)。
で、今回、30年以上たってようやく観ることができました。
恋人たち(マッシモとアンジェラ)の間に一人の若者(グイド--レイモンド・ラブロックが演じる)
が入り込んでくる不思議な三角関係を描いています。グイドは、ちょうど「ブエノスアイレス」
のレスリー・チャンのような妖しい破滅型の男です。
公開された当時主題歌がすごくヒットして、日本語のカバーも出ていました。
ぼくもFM放送をエアチェックしてよく聞いていました。
名曲です。CD出てないのかな?
ヨーロッパの歌謡曲(?)がはやった時代でしたね。
この曲がいっぱい出てくるかと思ったら、たった一回(グイドがマッシモのなじみの
素人の売春婦のところへいった時に、部屋のラジオから流れてきた)しか使われていませんでした。
他の曲はつまらなかったです。
(2004.08追加) このページをみてくださった方が親切にも「ガラスの部屋」のはいったCDの情報を
メールで教えてくださいました(『僕たちの洋楽ヒット』というシリーズの、Vol.4 1970/71)。
ありがとうございました! 早速、アマゾンで購入。嬉しいです。ほんと、これって名曲。
彼・彼氏と(いやもちろん、配偶者とでも)この曲をバックにークを踊れば盛り上がること確実!
(映画ではだめでしたが……)
- おばあちゃんの家
(2003/4/29, 岩波ホール):小学生の男の子が母親の実家
(おばあちゃんが1人で山の中のボロ家に住んでいる)にあずけられる話。
その子の態度の悪さには目に余るものがあります。
だけど口の利けないおばあちゃんはその彼を、ちょっと困ったような顔をしながら、
そのまま受け止めてくれる……。
こういう「困ったちゃん」にひたすらつくしてくれる人の出る映画(『シザーハンズ』とか
『ビューティフル』など)ってなぜか好きです。
夜中に外のトイレに行くのが怖くておばあちゃんについてきてもらわなければいけないところ
(「モチモチの木」なんかも思い出されますね)を見て、
自分の子どもの時外のトイレに行くのがとてもいやだったのを思い出しました。
この子がおばあちゃんのことを好きになっていく様子がいいです。
特にラストはちょっと泣かせます。
なかみと関係ないですが、「猟奇ウサギ」が見れたのもうれしかったです。
- スペース カウボーイ
(2003/5/2, 中古ビデオ):一本500円だったので『ビューティフル』とこれを衝動買いしてしまいました。
全体のかなりの部分を占める地上での話は面白かったです。
だけどロシアの衛星のところに行ってからの状況や色んなボタンの意味があまり呑み込めませんでした。
また、この間のスペースシャトル爆発事故のことを考えると、
あんなにダメージを受けたシャトルが無事大気圏突入を果たせるはずがないと思えてしまいました。
- シカゴ
(2003/5/3, 新宿ピカデリー1):
内容的には、無実の女性が絞首刑になって、殺人を犯した女性たちは無罪になるという、
本来なら後味の悪いはずのストーリーなので、それを前もって読んだときは
観る気がしなかったのですが、観てみたら、とんでもない3人の登場人物の
とんでもないお話を、下品な笑いも交えて描いた面白いコメディで、
しかもミュージカルのシーンがとてもよくできていて、とても楽しめました
(もちろん上記の絞首刑のシーンなどは別として)。
刑務所でのシーンとか、腹話術やあやつり人形のシーンなどは特に面白かったです。
現実の世界と空想の世界がうまく切り替えられて、
ミュージカルの舞台の楽しさをうまく出していたと思います。
2人の女性の内、かっこいい方の人の歌がもっといっぱいあると、もっと楽しかったかも。
(このひととっても素敵です)
- [上/下]拉是条狗/CALA, MY DOG!
(2003/5/4, DVD):
『活きる』『大腕/ハッピーフューネラル』の葛優の主演する映画です。
ちゃんと登録していなかったために「犬狩り」(昔日本でもやってましたね)で愛犬CALAを派出所に
連れて行かれてしまい、なんとか助けようとするちょっと悲しいお話。
警官役をやっているのが『太陽の少年』の夏雨くんだったので
購入しました。
- 風の絨毯
(2003/5/17, シネスイッチ銀座):
公開初日の第一回目を観てきました。イランと日本の合作映画です。
中心となるストーリーは、母親を事故でなくした日本人少女が、
心やさしいイランの少年と出会い、明るさを取り戻していくという話ですが、
絨毯の輸入販売を商売とする父親が特別注文の絨毯を引き取りに、
少女を連れてイランに行ったところ、全く手がつけられていなかったことが判明!
織り上げるのに2ヶ月はかかるのにもう納品期限までたったの2週間……
絶望的状況の所を、上述の少年の提案により、毎日24時間3交代制で製作することになり、
大騒動がはじまる……というコミカルなタッチで描かれていて、
ほのぼのとした暖かいいい映画になっています。
イランの風景もとても綺麗。
- ボイス
(2003/5/20, MOVIX京都):
予告編がとっても怖そうだったので、怖いもの見たさで行ってきました。
そしたら……やっぱり怖かった!(特にエレベータのシーン)
女優さんたちもとてもきれいでした。
- めぐりあう時間たち
(2003/6/28, 全日空機液晶画面で):観に行きたいなぁと思っていた映画を運良く
成田からフランクフルトにいく飛行機で観ることができました。
いろいろ映画がありましたが、真っ先に観たのがこれ。
映画は、最初から悲痛なシーンで始まりました。
時間のへだたりのある3人の女性の一日(?)が平行して描かれ、
一体どう収束していくのかというミステリー的なおもしろさもあって、
最後まで引きつけられました。
男の子を2番目の女性が預けるエピソード、最後の方の悲劇のシーンなどが
特に盛り上がりました。
おそらく、女性なら3人の主役のどれかに自分に近いものを感じて、
さらに感動も深まるのではないかと思います。
ぼくはどちらかというとあまり繊細ではない質
(一番似ているのは2番目の女性の旦那さんかな?)なので、
女性心理が納得いかないところもありました。
ともかくいい作品だと思います。
- ブルークラッシュ
(2003/6/28, 全日空機液晶画面で):
次に観たのがこれ。有望なサーファーであった主人公の少女が、
大波にまきこまれる事故で怪我をし、スランプに陥るが、
友人や恋人・プロのサーファーの励ましで恐怖を乗り越えていくという、
いかにもありがちな青春ドラマですが、好きです、こういうの。
ともかく気持ちよく観ることが出来る映画でした。
ボブ・サップみたいなアメフット選手もおかしい。
で、なんといってもサーフィンのシーンがすごい!
チャンスがあれば今度は劇場でもう一度観てみたいです。
- メイド・イン・マンハッタン
(2003/6/28, 全日空機液晶画面で):
ホテルでメイドをしながら一人息子を育てている女性のシンデレラ物語。
ハンサムな
王子様若手政治家と知り合うきっかけがきっかけなので、
ドキドキして無邪気に楽しめない(実際すべてがおじゃんになりかける)のですが、
見終わったあとはとてもすっきり。子どもも可愛い。
- シャンハイ・ナイト
(2003/7/6, 全日空機液晶画面で):
観たい映画は行きに観てしまったので、残ったものからまずこれを選びました。
ジャッキー・チェンのコメディです。時間つぶし程度の映画でした。
- 晩春
(2003/7/6, 全日空機液晶画面で):
原節子ってどんな人かな?と思ったのですが松島トモ子にそっくりでちょっとがっかり。
内容も今の世相からすると陳腐化していて、今観る価値は無いような気がします。
娘がいないからそう思うのかな?
- 誰来傾听
(2003/7/6, 全日空機液晶画面で):ラジオで悩み事相談の番組を受け持っている男性が、
難病で死期が近いと悩む若い女性と出会って、妻との関係に溝が……というような話で、
実は最後まで観てません。最近の中国の様子を見るのにはいいかも。
- チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
(2003/7/29, 千葉京成ローザ):
暇つぶしで見ましたが、十分にに楽しめました。
写真ではルーシー・リューはすごく不細工に見えましたが、
スクリーンではなかなか愛嬌のある可愛い子でした。
でも一番好みなのは、ドリュー・バリモアかな。
- トーク・トゥ・ハー
(2003/8/1, シネ・リーブル池袋):
美しい画面に音楽・思いもよらぬストーリー展開……すごくツボにはまった映画でした。
昏睡状態のアリシアの体のなんと美しいこと!
ラストの舞台の踊りのなんと魅力的なこと!
映画の中で生演奏される歌のなんと切ないこと!
なんどでも見たくなります。
ただ、この映画、中身が中身だけに賛否両論あるようですね。
僕自身も、ベニグノの「危うさ」がわかってくるにつれ、ある意味、引いてしまいましたが、
逆に、もう1人の主人公マルコの平凡な善良さに安堵感を覚え、彼の目でこの映画に引き込まれました。
観終わった後、アルモドバル監督の『オール・アバウト・マイ・マザー』
のDVDを買いました。
『トーク・トゥ・ハー』のサントラCD もおすすめです。
- 氷海の伝説
(2003/8/10, 岩波ホール):
数百年前から伝わるイヌイット(エスキモー)の伝説の映画化。
最初の呪術師の出てくるあたりの展開や登場人物たちの関係がわかりにくいですが、
その後、主人公(腕力は平凡だがとにかく足が速い)とその兄が成長してからは非常に面白い!
3時間近くの長い映画とはいえ、休憩などはさまず一気に見せて欲しかったです。
主人公に思いを寄せる二人の女性がどちらも、それぞれ異なった魅力の持ち主で、
どちらにも惹かれました。どちらかというと蓮っ葉な悪女
(この人のせいで悲劇がおこる)のほうが、より魅力的だったかも。
でもなんといってもこの映画の一番盛り上がるシーンは、
悪女の兄とその仲間に命を狙われて、主人公アタナグユァトがひたすら氷原を全裸で逃走する場面。
信じられないことですが、ほんとにCGじゃなく撮っているんです!
(エンドロールで撮影風景がでてきます)
いくつも殺人が行われ、昔のイヌイットの世界も現代社会と全く変わらないことがわかりますが、
最後の決着のつけかたがすばらしい。罪を憎んで人を憎まず……とはよく言われることですが、
「呪術」の存在というのはそれを非常に巧みに実現するものなのだなぁ、と思いました。
なお、岩波ホールの座席に改造が施され、すごく座りやすくなっていました。
- 10日間で男を上手にフル方法
(2003/8/10, 池袋HUMAXシネマズ):う〜ん、設定が……
ふたりの主人公がどちらも自分の都合のために人を利用しようとする話なんですねぇ。
偶然この場合はお互い様、ということですが、人の心をもて遊ぼうとする話って、
全然笑えない……。
男のほうの実家の人たちの出てくるシーン(Bullshit!)だけは暖かかったです。
それに、主人公のケイト・ハドソンは可愛かったですけど。
もうひとつ気になったのは邦題と日本語字幕。
題は「10日間で男を失う方法」なわけで、意味が逆になってるじゃないですか!
それから登場人物がしゃべっているのに字幕はなし、という箇所がいくつかあった気がします。
少しはしょりすぎじゃないでしょうか。
終わりの方でも使われていたカーリー・サイモンの歌『うつろな愛(You're So Vain)』……
これは大学生の頃大ヒットした曲でとっても懐かしく、サントラCDを買ってしまいました。
これだけは収穫でした。
- ブルー・クラッシュ
(2003/8/14, 渋谷・シネクイント):飛行機でみてとても気に入ったので、
ぜひともスクリーンで見たいと思っていましたが、やっとチャンスができて渋谷まで観に行きました。
3人(いや、主人公の妹もいれると4人か……)の女の子たちが皆むちゃくちゃ可愛いくて魅力的!!
そして、
プロの女性サーファー、とくに最後の競技で主人公を導く人がなんともいえないほどかっこいい!!
これほど観終わって気持ちのいい映画はないです。
ロードショーはもうじき終わってしまうようですが、まだ未見の方は
ぜひぜひ劇場まで観にいってほしいです。
DVDを購入しました。サルのように(^^;何度も見てます。
- HERO 英雄
(2003/9/26, 千葉京成ローザ(10)):
見終わってがっくりするようなストーリー展開で、あまりにも中国政府べったりという内容に唖然。
唯一の見所はチャン・ツーイーのひたむきさぐらいかも。
でも彼女は主役ではないのが残念。
- ロボコン
(2003/9/26, 千葉京成ローザ(10)):上の『HERO』に続けてみました。こっちは大正解。
見ていてほんとに楽しくなる映画でした。知っている人と言えば、
第2ロボット部の部長が『鉄塔武蔵野線』の男の子だったのと、
第1ロボット部の部長が『ピンポン』の部長をやった人だったぐらい。
主人公のふたりは全く知らない人だったので、とっても新鮮な気持ちで見ることができました。
なんといっても見所は、対戦シーンです。あっけなく勝ってしまう試合もありましたが、
とんでもない技を繰り出す相手チームにどのように勝つのか……SFXも使っていないのに、
まるで奇跡を見るような素晴らしい試合が続き、ほんとに手に汗にぎってしまいました。
「携帯電話」のエピソードもよかった!
後でパンフを読んで、どのように試合のシーンを撮ったかを読んで一層感激してしまいました。
- ヴァーティカル・リミット
(2003/10/5, テレビ):何度も映画館で予告編だけみて、すごいシーンだな!とは思っていましたが、
例のジャンプするところで、「いくらなんでもそれは無理だろ!」という雰囲気だったので、
観には行きませんでした。でもテレビで観る分には、十分ハラハラ・ドキドキ楽しめました。
ニトロ・グリセリンの爆発のところでは、「『恐怖の報酬』では、煙草を紙にまこうとした瞬間、
爆発の突風が来て、葉がふっと飛んで行くんだよね〜」なんて話しながら観ていたら、
やっぱり同じようなシーンがありました。
- インファナル・アフェア
(2003/10/13, 新宿ミラノ座):「最初の1週間は大きいところでやってるよ」
という友人からのお知らせで、急遽出かけていきました。みごたえのある面白い映画でした。
緊迫感があり、最後までぐいぐい引き込まれました。
アンディの制服姿が凛々しくよかったし、トニーの雰囲気も悲惨な内容を和らげていてよかったです。
また、サミーが出ているなんて知らなかったので、友情出演ではありますが、トクした気分でした。
- 運動靴と赤い金魚
(2003/11/3, 録画ビデオ):有名な映画でしたが、やっと観ました。
妹の運動靴を修理してもらった帰りに、うっかりそれを紛失してしまった少年の物語。
妹の学校が終わってから兄の学校(妹とは別の場所にある)が始まるので、
兄の運動靴を妹が先に履いて学校に行き、学校が終わると中間地点で待ち合わせて、
今度は兄が運動靴を履いて自分の学校に行くというキワドイ毎日が始まります。
なにしろ時間がぎりぎりなので、毎日全速力で走る少年……。観ている方もけっこう
ストレスが溜まります。
兄妹が運動靴を洗ってシャボン玉をつくるシーンはとてもきれいでした。
また、妹の靴を履いた女の子が、ペンを妹に渡してくれたとことも、ちょっと緊張しましたが、
妹のにっこりとした微笑みにほっとしました。
イランも都会とそれ以外では随分生活が違うようで、その辺の比較がとても面白かったです。
- さらば友よ
(2003/11/16, テレビ録画):
有名な作品ですが、初めてみました。アラン・ドロンなんて、どうせイヤな男を
やってるんだろうと、ブロンソンだけに期待して見始めましたが、なかなかどちらもよかった!
二人の関係が変化していく様子がとっても面白い!
煙草に火をつける有名なシーンは、なるほど、かっこよかったです。
とても気持ちよく見終えることができました。
- 延安の娘
(2003/11/18, 名古屋シネマスコーレ):
文化大革命の時代に、多くの若者が地方に下放され、その傷はまだ色んな所に残っている。
タイトルの「延安の娘」とは彼らを両親としてもちながら、農家の養子として育ち、
本当の父母を探し求める女性のことです。
とても重いテーマで見応えのあるドキュメンタリーなのですが、
登場人物とカメラとの関係がよく見えてこないので、なんだかやらせの再現フィルムを
見ているような気がしてきます。
つまり人々がフィルムに写されることを考えに入れて行動しているのです。
そのせいでなにか入り込めませんでした。
- 女はみんな生きている
(2003/11/25, 新宿武蔵野館):
フランスで大ヒットだったそうですが、これは確かに面白い。
出てくる男がみんなバカ。アルジェリアの女の子の、男の引っかけ方の講義なんか爆笑!
主人公の旦那が女の子からの電話を待っているところもバカ丸出しでとってもおかしい。
自分のことはとりあえず棚に上げて大笑いしました。
ストーリー的には、色んなエピソードが細切れ的で、悪い奴らをやっつけるところがもっと
凝るのかなとおもっていたら、その辺は実にあっさりして、別のテーマに移っていきました。
それはそれでよかったかなとも思います。
フランス映画、もっと観たいなあ。
- 月に星
(2003/12/20, 下北沢トリウッド劇場):まだ一般公開されていない映画です。
特別試写会というのを見てきました。監督の田淵史子さんは本来舞台劇のほうの方で、
この作品ももともと銀座テアトルシネマに於いて「星に願いを〜映画館でお芝居を演(や)ってみる〜」
というタイトルで上演したものを映画に作り直したものだそうです。
そのせいで主人公二人の会話部分がとっても芝居っぽくて、
気になる人には気になるかもしれません。ぼくは芝居が好きなので、
舞台が想像できて楽しく見ることができました。