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9月30日の幾何学IIの講義では、前回紹介した図形のうち、1次元のものと 2次元のものについて復習をしました。また幾何学演習IIでは、4次元空間の中に 射影平面やクラインの壷を描くことを目ざしましたが、射影平面のほうは次回に 持ち越してしまいました。
■幾何学II
- 1次元のもの
- R(数直線)、その中の区間(例えば [a,b], (a,b), etc.)
- 特別な区間を表す記号:I=[0,1], D1=[-1,1]=E1
(人によってはE1で数直線を表すことがあるので、注意! )- S1 (円周)
- 2次元のもの
- R2(平面), S2(球面)
- 二角形、三角形、四角形などの辺を適当に貼り合わせてできる図形 (貼り合わせる辺には同じ記号をつけ、矢印で貼り合わせる向きを指定する。 簡単のため、ちょうど二つの辺同士を貼り合わせるものとする。 3つ以上の辺を同一視することもできるが、ここでは扱わない。)
射影平面 P2 円柱(シリンダー)
アニュラスメビウスの帯 MB トーラス T2 クラインの壷 KB
[問] 下図はおのおのどのような図形を表すか?
ヒント: 変形しにくい場合は、一度、図形を切断し、変形を行った後、切断した箇所をつなぎ直すと うまくいくことがあります。 教科書「位相幾何入門」(小宮克弘・著)の練習問題2−5(p.21)の解答(p.138) を参考にしてください。
■幾何学演習II
射影平面を4次元空間R4の中に実現するのは、 「射影平面がメビウスの帯と円板をふちに沿って貼り合わせたものである」 という事実を使うと簡単です。 この事実は教科書では p.19 に説明されています。 また、下のような図を用いても説明することができます。 射影平面から緑色で円板(緑色の部分)を取り去ったものがメビウスであることを 確認して下さい。上のヒントがここでも使えます。
いいかえれば、メビウスの帯に、ふちに沿って円板を貼り付ければ射影平面ができます。 これは3次元空間の中では実行できないことが知られていますが、4次元空間では可能です。 これは次回説明しますが、自分でも考えてみましょう。