[目次]

弧長パラメータによる表示と曲率

何回でも微分可能な曲線 p= p(t) (a≦t≦b)が与えられており、 常に |p(t)| > 0 と仮定します。
  1. 弧長パラメータ s を

        s(t) = ∫at|p(u)|du

    で定義します。
  2. この関数は単調増加なので、逆関数を持ちます。 それを t=t(s) と表します。
  3. t=t(s) を 代入することにより p を s の(ベクトル値)関数と思うことができます。 それを p(s) で表します。
  4. s による微分を ’(ダッシュ)で表します。p’(s), p”(s) などが計算できます。

以下の例で、弧長パラメータを実際に求めてみました(小テスト)。
  1. p(t)=(2 cos t, 2 sin t)  (0≦t≦2π)

p’(s)に関して次のことが成り立ちます:

命題:|p'(s)|=1である。 つまり、p’(s)は単位ベクトルである。

この単位ベクトルを e(s) で表します: e(s)=p’(s)。 単位ベクトルなので、このベクトルとx軸の正の向きのなす角度をθ(s)とおくと、
   e(s)=(cos θ(s), sin θ(s))
と書けます。θ(s) は2nπだけのあいまいさがあることに注意してください。


e(s)=(cos θ(s), sin θ(s)) を反時計回りにπ/2回転してえられるベクトル
   n(s)=(-sin θ(s), cos θ(s))
を考えます。つまりn(s)は進行方向左向きの単位法線ベクトルです。


定義:曲率(関数)κ(s)=θ’(s)

これは曲線の曲がり具合を表す量です。





演習

まず、前回の宿題の解説を行いました (プリント#1の3(4) と cosh に関する加法定理)。

続いて、プリント#1の3(6), 4(2)(3), 7, 8 を黒板で解いてもらいました。

最後に小テストを行いました:

p(t)=(t, cosh t) (0≦t≦1) において、s を t の式で表せ。
(もし時間があれば t を s の式で表せ。)