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曲率の計算

今回は補講のため変則的に演習の講義が先でした。

演習

前回の小テストで、p(t)=(t, cosh t) (0≦t≦1) において、 s を t の式で表しましたが、その続きとして t を s の式で表す作業を行い、 弧長パラメータ s による表示 p(s) を求めました。

つぎに、色々な方程式からパラメータ表示を求め、さらにそれから 弧長パラメータを求める作業を行いました。


小テスト: x2+y2= 32 のパラメータ表示 p(t) を求め、さらに p(s) を求めよ。


講義

上の小テストに関連して、次の問題を解きました:

小テスト:p(s)=(3 cos (s/3), 3 sin (s/3) ) (0≦s≦6π)に対し、 e(s), n(s) を求めよ。

次の定義を復習しましたた。

定義:曲率(関数)κ(s)=θ’(s)

これが曲線の向きの付け方によって符号を変えることを確認し、 常に0なら直線であり、正であるならば左に曲がり、 負であるならば右に曲がることを観察しました。

弧長パラメータ s による表示が簡単に求まる場合に、具体的に曲率の計算を行いました。 また以下のような公式を用いて求めることもできることを観察しました。

命題:e’(s)=κ(s)n(s)

この命題は合成関数の微分を使って左辺を計算することにより得られます。

命題:κ(s)=det(p’(s), p”(s))

ただし右辺は各ベクトルを縦ベクトルと思って並べて得られる行列の行列式です。 証明は右辺が κ(s) det(e(s), n(s))になることと det(e(s), n(s))= 1 を用います。

曲率の計算方法:
  1. θ(s)を具体的に求めて微分する。
  2. e’(s)=κ(s)n(s) を調べる。
  3. 公式 κ(s)=det(p’(s), p”(s))を利用する。

いずれの方法も、曲率をsの式で与えます。最終的にtの式で表すには、 s=s(t) を代入する必要があります。s による式が求まらない場合の公式は次回学びます。