定理:(X,d) を距離空間、AをXの部分集合とする。このとき
- Ai は Aに包まれる開集合の中で最大のものである。
- Aa は Aを包む閉集合の中で最小のものである。
距離空間 (X,d) の開集合の全体を
Od(X)
で表し、これを (X,d) の開集合系と呼ぶ。
距離空間 (X,d) の閉集合の全体を
Ad(X)
で表し、これを (X,d) の閉集合系と呼ぶ。
Od(X) の性質
- X∈ Od(X) , φ∈ Od(X)
- U1, U2, ……, Un ∈ Od(X)
=> U1 ∩ U2 ∩ …… ∩ Un ∈ Od(X)
- Uλ ∈ Od(X) (λ∈Λ)
=> ∪λ∈Λ Uλ ∈ Od(X)
Ad(X) の性質
- φ∈ Ad(X) , X∈ Ad(X)
- F1, F2, ……, Fn ∈ Ad(X)
=> F1 ∪ F2 ∪ …… ∪ Fn ∈ Ad(X)
- Fλ ∈ Ad(X) (λ∈Λ)
=> ∩λ∈Λ Fλ ∈ Ad(X)
以後、Xは空でない集合とする。必ずしも距離空間の構造が与えられているとは仮定しない。
Xの部分集合の系
O が次の3条件を満たすとき、Xの
位相であるという
- X∈ O, φ∈ O
- U1, U2, ……, Un ∈ O
=> U1 ∩ U2 ∩ …… ∩ Un ∈ O
- Uλ ∈ O (λ∈Λ)
=> ∪λ∈Λ Uλ ∈ O
集合 X とその位相
Oの対 (X,
O) を
位相空間という。
位相
Oの要素を (X,
O) の
開集合という。
距離空間においては、距離を使って内点の定義を行い、その和集合として内部を定義し、
内部を用いて開集合の定義を行った。
距離空間にいては、まず最初に開集合の概念がある。そこで、一番上に記した
「距離空間における内部の特徴付け」をまねして、「内部」の概念を導入する。
定義:(X,O) を位相空間、AをXの部分集合とする。このとき
Aに包まれる開集合の中で最大なものを Ai と表し、A の内部という。
※ 「最大なもの」は、具体的には、「Aに包まれる開集合たちすべての和集合」として定義できる。
内部の概念があれば、ただちに Ae = Aci として外部を定義でき、
さらに、境界 Af=(Ai∪Ae)c や
閉包 Aa=Ai∪Af も定義できる。
したがって、点列に関する事柄を除き、今まで学んだほとんどのことが、位相空間でも
なりたっている。